WEST : 1-A デルタ 『デルタ展』
赤川桜さんと浅井祐香さんによるアートグループ"デルタ"
前回は赤川桜さんの作品をご紹介しましたが、
今回は浅井祐香さんの作品をご紹介します。
DFG原宿、WEST館の入り口を背景にした一枚。
添えられたキャラクター。
上塗りされた色合い。
切り取られた形。
その絡み合いが、"らしさ"を構築します。
ここではまだ、何を描くか?に留まっていますが、
一枚、一枚進むに連れて、
僕は"らしさ"の仕組みについて興味を持ってしまいました。
お二人のグループ名である「デルタ/DELTA」
キャンバスに描き込まれた"DELTA"はDELTAであるけども、
絵のように、記号/形から魂であろう意味が剥離しかけている。
そう思ってしまいました。
空中から俯瞰した地図。
こちらは地図上に文字が覆いかぶさっています。
浅井さんの作品は、文字の存在を確認した瞬間、
図が本来持っていた存在理由を忘却の彼方へ放り投げるような。
そんなのいらないだろ、ぽーいっ! と。
じゃあ、図は元々何を持っていたのか?と言うと、
今の状態を構成している形と色の情報。
意味というよりも、視覚情報のそれ。
同時に展示されている赤川さんの作品にも通ずるものがあるでしょう。
景観、見えたままの姿。
浅井さんの作品は、より"形"という点に関してストイック。
しかし、その引き出しの多くは日常生活が基盤となっているから、
それは届く場所にあるかのように思ってしまう。
僕が一番気に入っているのはイスに貼付けられたDM
と、その周囲にある飛行物体達を含めた景観です。
日常には記号が溢れているけども、
私たちは無意識に意味や役目を見出して、名前を付けてしまう。
そうじゃなくて、浅井さんにはもっともっと、根源に寄り添って。
本当に丸裸になった物質のありのままの姿を見せて欲しい。
日常と非日常の境目をぐっちゃぐちゃにして欲しい。
赤川桜さんと浅井祐香さん
素敵な作品をお作りになるお二人の展示は12/10が最終日。
皆様のご来場、心よりお待ちしております。
その1-赤川桜さん編-はこちら
(ぱんだ)