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よしむらなな 『ロマンティックガーデン』 [Wアートピース:10/1-10/8]


今日からアートピースで始まったのは、よしむらななさんの「ロマンティックガーデン」

タイトルから連想される展示とは、良い意味で期待を裏切られた展示です。アートピース二つ分のスペースにぎっちりと敷き詰められた14枚の写真パネルの一部が以下です。




そこに写っているものは、誰かの家の裏庭だったり、公園のような場所での任意の集団だったり、団地の一角だったりします。

ではどこが、「ロマンティック」なのか。

よしむらさんの展示コンセプトにはこうあります。
「懐かしいのか、今っぽいのか、天国なのか、地獄なのか、甘いのか、辛いのか、嬉しいのか、悲しいのか、よくわからないけど、ぎゅっと心をつかまれる事がある。
日常に溶け込んだかのようにもっともらしい顔をしながらも、実は絶妙なバランスで存在していること。
ちょっとお邪魔させてもらいました。」

日常の中で「ぎゅっと心をつかまれ」て、シャッターを押した。私はそのよしむらさんの感性や感動が「ロマンティック」だと感じました。他の人が通り過ぎてしまう風景に足を止めるその唯一無二の感受性。「美が愛をかきたて、人を創作に向かわせる」というようなことをプラトンが書いたのは『饗宴』だったか『イオン』だったか、そんなことに思い至りました。

「ちょっとお邪魔しました」のスタンスが、もっと踏み込んで行ったら、もしくは逆に自分の内へと向かって行ったらどうなるのか、或いはもっと別の所へ向かおうとしているのか、気になります。お会い出来たら聞いてみます。

http://www.nanakichi.com/nana_photo/

DF STAFF KOZUE