WEST館とEAST館を繋ぐ通路の途中にある、
背の高い壁。
本日より新しいグラフィックが彩ることになりました。
手がけて下さっているのはYUKIさん
横幅も高さもあって、しかもいびつな形をした白い壁面。
時折、脚立に乗って、背の倍以上ある壁面に向かい合うYUKIさん。
たっぷりと水気を含んだ絵の具は、だらりと表面を下に下に伝います。
ほんの数時間の間に大画面に出現したのは"山"
見上げなければ全貌は見渡せない大きさ。
そして視線を落とすと、流れ落ちた絵の具の軌跡。
乾く前に混じり合って、半端に融合したり、しなかったり。
それは半熟状態の色素。
描きつつ、想像が形作られているのでしょう。
実に発色の良い山脈は、
砂糖菓子のような甘さを漂わせているというのに、
彼女は、尚、甘さを上積みさせようと、カラメルソースをたらす。
季節が違えば、香りに引き連れられた蟻の大群が列をなして
頂を目指すことでしょう。
食べ物でイメージするなら、キャンディーではなく、アイスクリーム。
舌をはわせれば、甘みと引き換えに、山は削り落とされる。
山の麓、入り口はぽっかり大きく口を開けて、
観者の意識を飲み込む。
過剰なまでの甘さを舌先で感じ取った私たちが、
次に知覚するものは、半端に溶け出して凝固した甘さ。
まるで氷砂糖
舐め溶かすことも、噛み砕く事もできる。
どちらにせよ、甘さを感じ取ることはできる。
でも、削られた後の形が違うのです、
YUKIさんの作品は、観者の意識の置き場次第で、
違った食感を楽しむことができる。
僕としては、バリバリと噛み砕いて、
氷砂糖を鋭利な刃物に変えてから、
刃の上に舌を滑らせ、甘みを享受したい。
マゾだと思われそうだ。
でも、完成したら、是非、お試し下さい。
ふふふ
(ぱんだ)