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『たはたなんでもおもしろ工房 田畑郁世展』 [1-D:10/30-11/4]


53年生まれで育児も介護も済んで今に至るという田畑さんの絵を見ていると、「続けることの大切さ」を実感します。

大きな絵も多く、所狭しと作品が並んでいます。上の写真にある入って左の壁に最近の作品、「生命樹」のシリーズが並び、右側にはそれまでの作品が配置されています。




上の二枚が生命樹のシリーズ。
震災後にみんなが「自分に何が出来るのか」を考えている中で、田畑さんは「画家の自分に出来ることは絵を描くこと。これを見て元気になってくれる人がいれば」と思い、これらを描いていったそうです。

生命樹という様々な国で色々な発展を遂げているモチーフだそうです。葉が枯れ落ちて実が落ちまた新しく芽吹くというような、生命の循環に関心のある田畑さんが、それを自分の作品として描いたのがこのシリーズとなります。



ここからは、それ以前の作品の紹介になります。
まだへその緒のからまる胎児が手にしているのは髑髏、生と死、循環のイメージです。表面上の髑髏や胎児というモチーフだけでも格好いい!と思ってしまいます。



田畑さんの作品の深みは、技量的なことだけではなく、こうした表情にも見られます。


こちらの人物もなんとも言えない表情をしています。


シュールな大作が展示されています。


上の作品の細部になります。大きくても画面の端から端までこだわりと気合を感じます。どのくらいの時間この作品と向かい合ってきたのかを即座に考えてしまうほど、時間の重みを感じます。


画集の中にあった作品たち。ペン画や銅板画になります。

銅板と聞いてエルンストはお好きですかと聞くと、「作品のみならず彼のルックスも好きです」という返事が返ってきました。わかります。作品が好きだと本人の顔やスタイルまで好きになってしまって、人がみたら「なにがいいの、ただのおじいちゃんじゃない」という作家のポストカードを買ってしまったりするんです。

いや、エルンストは普通にかっこいいですけど。

生命樹のシリーズをこれからしばらく描かれるのですかと聞くと、「いや、考え中です」とのこと。ただ、イコンの祭壇画(扉になっているやつです)を自分流に描いてみたいとはおっしゃっていました。

ホームページも作りたいとおっしゃっていました。
続けること、挑戦し続けること。なるべく多くの人にこの展示を見て貰いたいと思いました。

DF STAFF KOZUE