くどうまるおさん、すぃーさん、アシュラ三号さんの三人による
アートグループ "ル 阿修羅"の初の個展がEAST:304、畳の部屋で行われています。
入り口から撮った写真が上記。
引いて見ると、複数の要素が絡まって、咀嚼に困りそうだけど、
このことが意味する展示のコンセプトとは?
少し近づいてみましょう。
畳という日本の文化漂う一室の奥。
浴衣姿の女性が携帯を掲げ、電波を必死に送りだそうと身を乗り出して。
そんな彼女の周囲には真っ黒い犬。
頭部には何やら銀色のぐんにょりしたアンテナが取り付けられています。
彼女が送り出した電波を犬達が受信するのか。
四方八方に顔を向ける犬達、電波を探しているのか。
それとも、そんな目的など頭にはなくて、アンテナは頭にあるけども。
偶然、電波を彼らが拾ってしまったとしたら?
その横、窓から覗いているのは「だいだらぼっち」
日本の妖怪です。妖怪が窓から堂々と覗いている。
誰かに危害を加えるでもなく、覗く覗く。
その手前には、葬儀の場で見かける灯籠。
このインスタレーションは、「葬式会場」を模しているわけではないのです。
この灯籠はあくまで「ライト」
そうです、このインスタレーションは「畳」という会場を
インスピレーションの起源として、
複数の要素を継ぎ足し、継ぎ足し作り上げた、張り合わせの空間なのです。
外国人スタッフのナイジェルにも展示を見てもらい、その感想を聞きました。
「暗い部屋だ(心理的に)」
「奇妙な気持ちになるよ」
そうだと思うのです。
配置されたそれぞれは、何かの派生の元に選ばれているから
断片的だとしても関連性を持っている。
だけど、その全体として一環性は無い。
それらを一つの部屋に閉じ込めたこと。
そして展示という形で煮込んでしまった、事実。
あとは出来上がった料理の味を個々が確認する。
何かしらの意味を求めてしまうと、展示の全貌をクリアになってしまう。
恐らく、おぼろげなまま、雰囲気を享受した方がいい。
勿論、されさえも誰かに強いるものではないのだけど。
複数人で企画するインスタレーション。
作家自身が企画により偶発する何かを楽しもうとしている。
インスタレーション、楽しそうだなぁなんて思ったのです。
展示は明日、金曜日が最終日となります。
不思議と涼しくなる展示、是非、ご覧下さい。
(ぱんだ)