どちらがいいという話ではないのですが、大学生のサークル展示は作品それ自体よりも、普段なかなか機会のない「作品を見てもらうこと」や、アートを通しての学内外の交流に主眼を置いていることが多いように思うんです。でも、工学院大学の展示は少し趣が違うように思いました。聞いてみると美術意匠部はほとんど建築科の学生で構成されているとのこと。なるほど、みなさん絵も描けますよねー。
作品を二点作品を出している満永さんの作品。二点とも同系色の濃淡で表現された人物画です。部屋に入った時に真っ先に目を引き、正直もっと作品をみてみたいなと思いました。例えばこれと同じ手法で表現された作品が部屋一面にあったら、かなり面白いじゃないですか。
大坪さんの作品です。「水彩が好きなので着彩した作品を出すはずだったんですが、何かと忙しくて」と大坪さん。水彩、見てみたかったです。ただ「忙しく」 の辺りをつっこむと海に行ったという話も出てきて、ほほえましくなってしまいました。
樋口さんの作品。猫です。思わず「来年一月ににゃんこ展やるんで遊びに来て下さい!」と言ってしまいました。
小湊さんの作品。スケートボードにポスカで描いたそうです。
高田さんの作品。高田さんはアメリカのストリートカルチャーに興味があるそうです。「アメリカに行きたい」と言っていました。この作品は絵を描いて、エアーキャップ(ぷちぷち)をかぶせ、さらに造花をあしらっています。エアーキャップで細部まで見えないのですが、地の絵はかなり描きこまれているように思います。
部屋の隅にぽつんと置いてあったのは、清水さんの照明作品。青白い、優しい光が部屋を照らしています。
邪道かもしれませんが、上から覗き込むとまた、セロファンの青が綺麗でした。
渡辺さんの作品でタイトルは「女の子」。思春期特有の少女の儚げな雰囲気や不安定さが絵や展示方法から否が応でも伝わってきます。ムンクの『思春期』をみてちょっと胸が苦しくなるような、それがまたいいような、そんな感覚に陥ります。
DF STAFF KOZUE