三人の作家が集まる一室、「TARCO展」
メンバーは、中田箪笥さん、オルガンカラーさん、 のの子さん。
今回はお三方の作品を少しだけご紹介します。
のの子さんの作品です。
手前にあるのは「空中遊泳」というタイトル。
文字通り空を泳ぐ少女。
水中ならば両腕で水をかきわけるのでしょうが、
彼女は風船の浮力で、または風の力でゆっくりと泳ぐ。
水中であることも空中であることも忘れて泳ぐ魚達がいる世界。
少女が見下ろす下界もまた、明るい不可思議が広がっていることでしょう。
「氷菓期」
言うまでも無く"氷河期"であります。
両肩を抱いてがたがた震えるかと思いきや、
まるでクーラーがきいているような部屋で、
並んでのんびりと氷菓子を食しているのです。
ぱっと、ファンタジー色が強い作品に見えてしまうけど。
ペンギン、アザラシ、うさぎ、白クマ。
彼らは凍える地に生きているはずで。
苛酷な環境だとしても、のの子さんのフィルターを通してみれば、
ポップな世界に見えるかもしれない。
現実と幻想とをつまみとった作品群でした。
マスコット化されたキャラクター達がひな壇に。
オルガンカラーさんの作品です。
基本の形状を元に、ペイント、パーツを加えることで、
人間もロボットも動物にも。
変容パターン幾重にも。
その横に並ぶのは大量なイラスト画。
こちらは某ラジオ番組に投稿し続けたFAXイラスト、五年間分!
写真はほんの一部分です。
筋肉隆々のあの人とかあの人とか。
壁を埋め尽くしています。
そんな作品を作るオルガンカラーさん、クールガイです。
二種の作品を見比べてみて、是非、その降り幅の広さを感じてみてください。
中田箪笥さんの写真作品。
風景をバックに出てくるのは猫猫猫。
猫単体に寄るのではなく、
猫達が生き、生活している様子に目を向けた、
人間の目線からの写真。
猫もカメラの存在に気づいていますね。
警戒心ばりばり。
人間社会の中にお邪魔した猫の姿。
風景写真と猫写真が入り混じって、
それは箪笥さんの日常の断片を覗くかのよう。
言葉が通じない間柄で交わされる、ファインダー越しの交流。
その切り取り方、視線の高さ。
複数の要素を写真から取りあげて、箪笥さんの視点を探ってみてはいかがでしょう。
展示期間は明日が最終日となります。
皆さまのご来場、お待ちしております。
(ぱんだ)