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どばた 『胎』

本日からEAST:102にて始まりました、
どばた 『胎』の展示の様子をご紹介致します。

参加人数が多い為、早速、作品紹介に移ります。

「心走」
半谷恵介

とある少女と男性の居る世界を描いたアニメーション作品。
背景には心臓の鼓動のような音が響きます。


画はインクで描かれています。
明暗だけで描かれる世界は夢の中のよう。
色味を失った見知らぬ世界はちょっとおかしい。
自然体とほんの僅かに残る違和感。
随所に伺える比喩表現は何を示しているか。
是非、探してみて欲しい作品です。

「旅の記憶」
富田いずみ

タイトルと卵、二つを拾い上げたとき、
いつもならば殻を割って、出てくる内部に核があると思うものなのですが。
こちらの卵は表皮、殻に刻まれたものこそがそれにあたる気がしてしまう。
樹木の年輪のように、年月をかけて、
よく見える場所に刻まれたんじゃないかって。

「baby blue」
吉岡もも

冊子携帯に収められた、ビジュアルブック。
幾何学模様、インクの滲み、合成。
様々な方法で抽出された画の集合体。

「またねむる」
五十嵐翔太

黒い石のような物体の中央部にぽっかりと穴。
手前にはヘッドフォン。
ヘッドフォンを耳に装着し、
穴の中をのぞく。


穴の中には映像が流れています。
BGMは流れておらず、ふと聴こえる、声。
映画館のように何を観るかだけでなく、
映像を取り囲む環境に手を加えられることで、
僕は今、どこで何を観ているのか。
ぐんにゃりとした想いを抱えてのぞきました。

「思い出キュアー ロコちゃん」
唐鎌未来

天井から白く小さいテント状の何かが吊るされて。
中に浮かぶ少女、ロコちゃん。
ロコちゃんは体内から音を発します。
スピーカーが内蔵されているのでしょう。
ローファイな環境音が延々と流れ出る。

その足元には座布団があり、来場者はそこに座って、
キュアー。
まずはご体感ください。

「発生する前の子供たち」
金泉麻海

モンスターという言葉で締めくくられた生き物は、
ゲームでも小説でも人類の敵に位置することが多いです。
レベルアップの為、人類が生きるため、
様々な理由から彼らと人類は対峙し、倒してきたことでしょう。

モンスターというのは実際には存在しない生き物。
そんな空想上のかわいそうな生き物達に
焦点を当てた今作品。

設営した壁には、見える場所に釘やピンが露出していません。
また、裁縫された細かいパーツ一つ一つの丁寧さ。
あぁ、これらはふくらみをもっているのです。
創造の世界にいる彼らが厚みを持っている。
丁寧な姿勢が随所で観られる力作です。


展示期間は8/31までとなります。
力作揃いの作品群を是非、チェックしてみてください。