宇野夏都/寺西実優/長島紗月/室井萌々
『うてん』
2021.6.4 - 2021.6.6
[ WEST 1-D ]
「雨天」をテーマに同じ高校に通っていた4名の有志展が開催中です。今は各々の美術分野を学んでいる大学生。各者、様々な方法で雨を表現し部屋を彩っています。
今の時期(梅雨)にぴったりなテーマでグループ展を開催された4名の作家。絵画、彫刻、デザイン、芸術学と全く違う学科でありながら、綺麗にまとまった空間を創り上げています。
宇野夏都
宇野さんは、雨の呼名からイメージされるカラーを大胆にデザインした作品を展示されています。雨の名前もそれぞれ雰囲気に合わせたデザインになっており、一言で雨と言っても、バリエーションが多いことに改めて気づかせてくれます。
御降り(1月)・春雨(2月)・菜種梅雨(3月)などなど。12ヶ月分の作品が並んでいます。引いて全体を観ると色のグラデーションも美しく、自然が持つ美しさを感じさせてくれます。
寺西実優
銅版画で作品を制作されている寺西さん。細かなタッチで生き物を描いています。変わっているのが、どの生き物にも機械要素があるところ。寺西さんは工場のパイプや鉄塔が入り組んだ雰囲気がお好きだそうなので、それが動物と合わさって不思議な世界観を創り出しています。
雨といえば、カタツムリ!寺西さんが描くカタツムリの殻は機械的な造りになっており、格好良い姿になっています。本来小さな生き物なのに、どの作品の生き物もスケールが大きくなったように感じます。
長島紗月
長島さんは彫刻を作っており、今回はかわいい犬の作品を展示されています。とても可愛い顔をしているのですが、胴体はどろどろに溶けて真っ二つになりそう。。この犬の心境とは。。
この作品は、雨が降って散歩に行けない犬の憂鬱な気持ちを表現されたそうです。雨の水気が多い感じと落ち込んだ様子が、この溶けた状態によって表現されています。落ち込んでいても、だらっとした足がなんだか可愛いなと思えてくる微笑ましい作品です。
室井萌々
室井さんは写真を撮影されており、旅行先で撮った写真などを展示されています。今は難しい、以前に行かれたという海外旅行の写真が飾られています。なぜか、旅行初日は雨が降ってしまうらしく、どの旅行の写真も雨模様の風景が写し出されています。
日記が添えられているので、文章を読みながら写真を見ていると旅行気分を味わえ束の間の休息を得られます。最近は海外に行けなくなってしまったため、身近な場所の木を撮影されているそうです。曇り空と木の枝のコントラストが美しい写真です。
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[ WEST 1-D ]
staff:Chi