明治学院大学写真部 『夏展』
2020.8.24 - 2020.8.29
at EAST 201, 202
明治学院大学写真部の定例学外展『夏展』が、今年もデザインフェスタギャラリー原宿で開催。
コロナ禍中ではありますが、部員が日々見たもの、感じたものを思うままに収めた作品が並んでいます。
今回の展示では、特定のテーマは設けておらず自由制作となっているそうですが、やはり季節柄夏を想起させる爽やかな写真が多く、晴れやかな気持ちにさせてくれます。
3年 山田ミカさんの作品は夏のとある日を想起させる写真。
ポートレートのにはセットアップされた作品も多いですが、距離感や瞬間の切り取り方がナチュラルで、より写真の中の世界に没入できるような組み写真となっています。
3年 濱野 友輔さんの作品は先ほどとはある意味で対象的な作品です。
人気のない風景を写した写真が3枚並んでおり、またどれもが場所を特定できるような記号的特徴がありません。そのためまるで非現実の世界を見ているかのようです。
記憶のどこかにある具体性を欠いた風景がふとした瞬間にフラッシュバックするということは誰しもが経験したことがあるかもしれませんが、「忘却」というタイトルの一連の作品はそんなどこかに置き忘れた景色を思い出させます。
2年 松井 海都さんの作品。
在りし日の日常の断片を記録したもので、写真が幾重にも折り重なってレイアウトしてあります。
整理されたレイアウトではなく、こうやってレイヤーとなって展示されていることでより「断片的な記録の集合」といった見方ができるようになっています。単純なようで面白い仕掛けがなされている作品です。写真一枚一枚も、当事者にとっては当時の記憶が鮮明に呼び覚まされそうなほど、その場の空気感みたいなものが収められています。
夏らしさ全開ですが、ちょっと切ない気持ちにもなる4枚の写真。
フィルムで収められた作品には夏の風物詩 ひまわりや手持ち花火、外で飲む瓶ビールの姿があり、いつ見ても夏のある日へタイムスリップさせてくれるような写真です。
少しフォギーな写りから、目の前にある風景というよりは、ぼんやりとした記憶の中の風景が再生されているような不思議な感覚を覚えます。
冒頭述べたように自由なテーマのもと撮影された作品が並んでいますが、季節感が表れた作品もあり、夏らしいことができていないなんて人にはぜひ見て欲しい写真展です。8/29(土)まで開催中。