トイデザ
『PPP展』
2020.2.11-2020.2.13
at WEST 1-A
無造作に塗りたくられたピンクの絵の具のビジュアルが目を引くグループ展がWEST 1-Aで開催中!小さなスペースに参加者それぞれが表現するピンクの世界が広がっています。
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科2年の有志4人からなるグループ展『ppp展』の展示コンセプトはズバリ「ピンク」。イラストやグラフィックなど各自の得意とする領域の作品をもちより、そのほとんどがピンクをベースとする作品です。
スペースに入って出迎えてくれるのがこちらの作品。
自身で企画したグループ展や弊廊での企画展でも作品発表をしているゆきょんさんの『苺ザ』は、文字通りピザと苺が融合したもの。チーズのようにとろーり溶けていく苺はなんとなくですがジャムのように甘くて美味しそうに見えますね。
「嫌なことがあっても寝て起きたら忘れられる。それってどうしてだろう?」という疑問から生まれた《Emotion Keeper》。コントロールが難しい人の感情をメンテナンスしてくれる「ピンクに染まった工具で傷ついた心を修理する小人」の様子を表現したみたに さおりさんの作品です。
自分では意識しているわけでもないのに、怒ったり悲しかったりしてもいつのまにかその感情は消えているなんてことは日常茶判事ですが、そんな心の歪みのようなものを、知らず知らずのうちにこんな小人が直してくれているなんてことを思えたら、ちょっとのことならやり過ごせそうな気がしてきます。
ディズニー映画でも有名な眠れる森の美女のヒロイン”オーロラ姫”の逸話への憧憬から描かれた、ぶりかまさんのイラスト作品「Princess Aurora」。
生まれた際に祝福を受けたとされる6人の妖精のモチーフが画面内にあしらわれ、幼さと凛とした女性らしさが同居する端正な顔立ちが特徴的です。
本作は物語のモチーフを全体で表現したピンク背景の作品と、人物のバストアップでより表情に迫ったこちらのバージョンが並んでおり、同じイラストながらも見え方も違うので、ぜひ会場に来られた際は見比べてみてください。
最後は《熱帯夜》というタイトルの作品。
タイトルを知らずに作品を見ると、空に浮かんでいるのは太陽に見えるし、日中もしくは夕暮れどきを描いた作品に見えるかもしれません。
しかし必ずしも色が現実にある色を表現しているわけではない、ということがとてもよくわかる作品です。真夏の熱帯夜のあの寝苦しい感じ、全身にまとわりつくような暑さの感覚を色で表すとなるとたしかにこの作品のように赤やピンクがしっくりくる。例えば逆に、冬の寒さって色で示すとなんとなく青ですよね。
満月が空に上がっている、でもその夜はとてつもなく暑い、そんな光景まで想像できてしまう作品です。
1-Aは小さなスペースですが、コチラの記事では作品の一部のみの紹介となっております。展示は2/13(木)までの開催となりますので、気になる方はぜひ足を運んでみてください。
【展示スペース:WEST 1-A】