Suguru 『或』
2019.11.9 - 2019.11.11
[WEST 1-A]
生命力を感じる模様の集合体は、一体どんな存在なのか。はっきりとは掴みきれない生物に心が引き込まれます。パズルのように細かく組み立てられた塊を、あなたはどのような存在として認識するでしょう。
Suguruさんの作品は、ショーに登場するような奇抜なファッションとモデルの怪しい有機的なフォルムが合わさって、不気味でもありクールな雰囲気を醸し出しています。しかし、そのように感じるのは一瞬で、鑑賞者は他にも違った空気を感じるでしょう。
作品をご紹介しながら、その謎に迫っていきます。
全体像は生物に見えますが、細部に目を向けると一気に印象は変わります。平面性を持つ模様が連なり一つの集合体として存在しているのです。それらの模様が生物というイメージを変化させ、別の塊に見えてきます。
他の絵画の模様も石畳の煉瓦や落ち葉、琥珀、昆虫など様々な要素があります。これらの要素の組み合わせは、建物と自然が多く、風景の一部を切り取ったようでもあります。
Suguruさんは、時間を感じさせるものに魅力を感じると仰っていました。私はその話をお聞きして納得。建物や生物に境界は無く、自然界の中で朽ち果てていく時間の経過が一つの形となって表現されているのだと気付きました。廃墟のような建物は長い歴史を持って生命のような空気を漂わせているのかもしれません。
こちらの作品で特徴的なのは、細かいモザイク画の部分。崩壊していくように散り散りとなっていく様は美しも儚い。これもまた時間の経過を感じさせます。
また、赤色で描かれている部分はグラフィティ要素となっており、街中の壁面を思わせます。
今回の展示タイトル『或』は漠然と物事をさしていますが、それがこれらの作品を鑑賞する時に重要なキーワードであると私は感じます。
模様の意味を知ることで見え方は変わってくると思いますが、Suguruさんは各人各様の捉え方で鑑賞していただければという思いをお持ちのようでした。
ご紹介の中で細部の模様について触れましたが、間近で見ることをお勧めします。写真では説明しきれなかった模様や異なる描き方など、楽しめる部分が多い絵画だと思います。
また、今回の展示では4種類のポストカードを販売しています。11/11(月)まで展示していますので、ぜひお越しくださいませ。
また、今回の展示では4種類のポストカードを販売しています。11/11(月)まで展示していますので、ぜひお越しくださいませ。
作家紹介