wanaco**
『呼吸のしかた、目覚めの瞬間』
2019.9.24-2019.9.26
at WEST 1-G
1年前の個展と同名のタイトルを提げたwanaco**さんの弊廊二度目となる個展。
まさに「目覚めの瞬間」にふさわしい変化を遂げた作品をご覧ください。
スペースに足を踏み込んだ瞬間、目の前に見える作品は、前回の個展の作品とは全く異なるものでした。
周囲に散りばめられた大中小さまざまな作品たちも、深い青や緑、橙などがひしめき合い、抽象的なものが並んでいます。
パステル調に近い淡い色彩で女性を描いた1年前の個展からは想像もつかないような変化を遂げたwanacoさんですが、抽象絵画的アプローチに取り組み始めたのは今年の5月以降のこと。その時期に鑑賞した展示で抽象絵画の自由度の高さ、遊び心を目の当たりにしたことが契機となったのだそうです。
あえて具象/抽象とカテゴライズするのは野暮ですが、筆致からは色、画材、道具、モチーフ、あらゆるものに自由が与えられ、その自由を謳歌するように、イメージが踊っています。花が開く瞬間、もしくは瞬発的な爆発、エネルギーが内から外へ一気に解放され、生命力が湧き出しているかのようです。
wanacoさんは人とのコミュニケーションで響いた言葉や、音楽、映画などなど、絵画とは違うメディアからのインプットを自身の作品に昇華させているのだそう。それが自身の頭の中で色や、形をともなって、新たなイメージとして画面に現れたのが、この展示に並ぶ作品たちなのです。
1-Gの部屋は4畳半ほどの広さしかなく、今回の展示ではその狭いスペースを埋め尽くすかのように作品が並んでいます。その様子はまるで作家自身のアトリエのようです。
作品の脇には無造作にメモが貼られていたり、ライブペイントの際に着ている作業服がかけてあったり、作品そのものとは違ったアプローチで作家自身に親しみを覚える展示空間です。
こちらの作品、ぱっと見たときには天気予報で見るような、宇宙から見た地球のような印象を受けたのですが、ぼんやりと空に浮かぶ月をイメージしたもの。
もともと深い青色を使うのが好きなwanacoさん。
夜空を黒で表現するのではなく、薄靄から群青までのグラデーションによって表現しています。詩人・最果タヒの『夜空はいつでも最高密度の青色だ』という言葉を思い出しました。
今回は平日3日間の開催で、明日が最終日となります。
気になる方はぜひ足をお運びください。
またそれが叶わない場合でも、10月5日、6日に開催されるライブペイントイベント『世界生福』に出展されるので、そちらもチェックして見てください。
wanaco**
https://twitter.com/amanojaku_w
https://www.instagram.com/wanaco_picture
<スペース詳細はこちら>