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多摩美術大学写真部 『こきゅう』



多摩美術大学写真部
『こきゅう』
2019.9.25-2019.9.29
at EAST 201, 202

毎年この時期の恒例となっている多摩美術大学写真部の有志展。
いつもひらがな四文字で付されている展示タイトル、今回は「こきゅう」です。





過去2回の展示タイトルは「たゆたう」、「たまゆら」など、抽象的な言葉をタイトルに設定していた多摩美術大学写真部の展示。
今回は「こきゅう」と、輪郭の見えやすい言葉になりましたがテーマで縛らずに各々が時自由に作品を展示。よりストレートな表現の写真作品が増えた印象です。

日々の息遣いが聞こえてきそうなこちらの作品。
特別なものを撮りにいくのではなく、あくまでも自分の行動の範疇にある「青色」を拾い集めた作品。清涼感と、季節柄なのかどこか寂しさも漂う作品です。




「ストレートな表現の写真作品」と前述しましたが、こちらはストレートに撮影者の日常を散りばめた作品。

というのも、「展示する作品」を前提に作品をセレクトすると、どうしてもかっちりと出来のいい写真を集めがちですが、この作品ではピントがずれたり、構図がランダムだったりといった写真も含めて一組の作品を構成しています。そうすることでより鑑賞者にも親しみの湧きやすい、日常の延長線上にあるような作品という印象を持ちます。ショートムービーを見ているような感覚になりますね。




「失意や悲しみといった負の感情を写真で表現した」という三島陽さんの作品。

どちらかというと「ポジティブ」の側にあるひまわりというモチーフを、アンバーに写しとることで負の感情を表現しています。

またひまわり自体も満開の時期から朽ちていっているので、よりネガティブが強調されているように感じます。




光を敏感にとらえた写真が並ぶ大橋芽依さんの「やわらか」という作品。
文字通り柔らかな光が印象的です。




写真自体も「やわらか」という質感を意識したものを写していますが、支持体となる印画紙もトレーシングペーパーや和紙のような柔らかいものを使用しています。

写真というプリントメディアの特性を生かして、物質自体でテーマを表現している作品です。


多摩美術大学写真部は11月に開催される多摩美術大学の芸祭でも展示を予定していますが、弊廊での展示ではまた違った趣向の作品に取り組んでいます。ぜひ足をお運びください。



【出展スペース:EAST 201, 202】
http://www.designfestagallery.com/space/east201?n=east201&sp=201&b=EAST
DF STAFF isaka