多摩美術大学大学院博士前期課程絵画専攻2年(版画)
2019.3.11 - 2019.3.17
space : WEST 2-A,2-B,2-C
多摩美術大学大学院で版画を研究する11名のみなさんによる展示会がデザインフェスタギャラリー 原宿で開催されています!
木版、銅版画、リトグラフ、写真、それぞれに「版画」と向かい進んだそれぞれの現在の「state」。ぜひ会場でご覧ください!
出展作家:
roomA
大城舞華
倉田義也
JEONG Ha Ram
白石舞帆
松澤綾
山崎真悠子
roomB
北本晶子
戸田和宏
Jia Yang
roomC
加藤舞衣
山之内葵
WEST館2階の3スペースで開催されている本展示。
各スペースで展示されている作品を一部ですが紹介します。
roomA展示風景
『トラウムⅡ』
木版・シルクスクリーン併用
倉田義也さん
『欠片ーB』
コラグラフ
したたり、滲み、浮き出すような作品の表情に版画の広い可能性が感じられます。
倉田さんは2016年にもデザインフェスタギャラリー原宿で展示会を開催していただきました。(その際の展示レポートはこちら!)
『その日1』『その日2』
JEONG Ha Ramさん
水性多色刷り木版
作品部分
木目が作品の一部として味わい深い魅力的な文様となっています。
roomB展示風景
戸田和宏さんのメゾチントによる作品作品部分
戸田さんは版画における光の表現に焦点を当ててきたといいます。
その作品中にはビー玉が現れます。
制作を重ねるにつれ、これまで様々だったモチーフはビー玉に集約されていったのだそう。
純度が極められたその球体が吸収し、反射し、内包する光にご注目ください。
Jia Yangさんのエングレービングによる作品
彫る道具を使い分け彫りの深さを変えることで透明感を生み出す濃淡が表現されています。
描くという行為に近いかたちで表現できるというエングレービングという技法で、
羽や毛一本一本に宿る命が精細に現れています。
北本晶子さんのメゾチントによる作品
作品部分
roomC展示風景
加藤舞衣さん『wall』
リトグラフ・可変
山之内葵さん
『Papers』
インクジェットプリント・可変
roomCでは加藤さんと山之内さんによる来場者の意表を突く作品が展示されています。
窓や壁面に貼られたビニールシート。
既存の外の世界にビニール、紙、そして版と光を通してレイヤーが重なります。
スペースの遮光パネルも作品に取り込まれています。
版画研究領域には写真の工房もあるとのこと。
版画と写真
少し意外にも思いましたが、両方に共通する「版」の存在を目を向ければ納得。
たちまち版画の可能性が広がりそうです。
roomAでは出展されているみなさんの画集やミニ版画の販売も。
本展示のパンフレットも販売されています。
版画表現における才能の最前線、ぜひ手に取っていただければと思います!
(「state」展示コンセプトより)
この展覧会のタイトルである「state」とは、版画の制作において、同じ版の作品でも何種類かの違った刷りが存在する場合に使われる言葉で、「刷りの段階」または「状態」を表します。多摩美術大学で版画の研究をしてきた私達も修了の節目を迎えることとなり、平成の終わりと共に何を想い向き合ってきたのかを版画という同じ領域の元で各種様々な表現方法を用いた11名の「state」として修了制作展である本展で表します。
web:
https://www2.tamabi.ac.jp/cgi-bin/pro/gw/?id=5&n=8
>>>展示スペースの詳細はこちらから
staff shimada