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PHaT PHOTO写真教室 14i 『「平成」×「  」展』



PHaT PHOTO写真教室 14i
『「平成」×「  」展』
2019.2.5-2019.2.11
at EAST 301

私たちにとって「平成」ってどんな時代なのでしょう。
この時代も終わりに差し掛かってくると、ふとそんなことを考えてしまいます。

「平成」という時代を写真を通していま一度思い出してみる、そんな写真展が開催中です。





本展は写真家・テラウチマサト氏が主催するPHaT PHOTO写真教室に所属する有志によるグループ展。参加する8名が各々、平成という時代について写真を通して考察するというテーマのもと、素晴らしい写真作品が並んでいます。




小林 優里さんは日々新陳代謝を続ける街の中で見つけた美しい光と影を写真で採集しています。

英語で写真を意味する"photograph"という言葉は、ギリシャ語で「光」を意味する"photo"、「書く」という意味の"graph"が合わさってできたもの。置き換えれば写真は「光の画」ということができます。

その意味でいうと小林さんの作品はまさに写真芸術の原点に立ち返る、写真を写真として表現した作品と言えます。

作品ではさまざまな場所で形を変え輝く光、そして影が映し出されていますが、これらは街の様相が変わってしまえば二度と同じものは見れなくなる、ほんの一瞬の偶然が作り出した風景なのです。

縦構図で整然と並べられた写真は、瞬きする間ですら移ろう平成という時代を象徴しているようにも見えました。




続く東太郎さんの作品は、個人的にもつい感情移入してしまう作品でした。
本作ではいままさに変化の最中にいる下北沢の街を捉えたストリートスナップが並んでいます。

20歳から三年間という時間をここ下北沢で過ごしたという東さん。
バンドマンや舞台役者など、表現を志す多くの若者がこの街に集い、それは今でも変わりはありません。

しかしながら、下北沢駅前の大規模な再開発以降、かつての雑多で分けのわからない(もちろんいい意味で)街の風景がどんどんと無くなってしまったような気がします。

こちらの作品で東さんは、そんな在りし日の下北沢の面影を追いかけるように、軽快にスナップしています。




この街で多感な時期を過ごしたものならわかる、これぞ下北沢というカット。
自分もよくギターを背負って駅前通りを歩いたなぁと懐かしくなりました。

とくに南口の駅前はかっこうの待ち合わせスポットで、誰かを待つ人で溢れかえり、一つひとつにドラマがあったように思います。移りゆく街の景色を残す、これも写真だから全うできる役割です。




最後はドキュメンタリー色の強いこちらの作品。
荒川の河川敷に住むホームレスの方たちとの交流を通じて、「本当の豊かさとはなにか」と改めて問い直すきっかけとなったというaccoさん。写真に写った彼らの表情を見ると、住む家がないという「だけ」で、いまの暮らしを謳歌しているように見えます。

戦後の貧しい時代を経て、物質的な豊かさや利便性が当たり前になったのが「平成」。
しかし平成も後半に差し掛かると、だんたんとその歪みが生まれてきたように思います。
たくさんのものに囲まれるようになって、まるでその重さに耐えきれなくなったように、ギシギシといろんな部分が消耗していくような。

そんな社会の土台から外れたとこにいるホームレスの方たちはしかし、社会生活の中で磨耗していく現代人にくらべると、ずっと穏やかにそれぞれの生活を営んでいる。
普段私たちが目を向けることがなかった彼らの暮らしにフォーカスをあて、気づきを与えるというのもまた、写真のだからこその表現なのだと気付かされました。


ここで紹介した以外にもたくさんの作品をご覧いただけますので、ぜひ会場までお越しください。平成を生きる私たちにとって、気づきと学びの多い展示です。


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参加者一覧:

東太郎
銀塩白黒写真とドイツビールを愛し、スナップから近距離風景を好み、仕事中も写真の事だけを考えている、そんな写真オジさん。

acco
3兄弟の息子達を撮り続ける専属パパラッチ。ドキュメンタリー写真が好きで日常生活を中心に撮っている。

小林優里
街並み、道端で見つけたかわいいもの・気になるものは何でも撮りためている散歩大好き人間。

白井俊行
社会の端くれで生きてます。

千葉愛子
日々の出来事すべてを美しいと思い、名前の通り愛情をこめて写真を撮っています。写真で世の中の役に立つことが夢です。

濱野麻里
旅行先の風景や、日常のスナップ写真をフィルムカメラで撮っている。日本なのにどことなく異世界のように見える写真を撮るのが好き。

ヒライヨシヒロ
写真とカメラとくだらない事が大好物。
ポートレート写真を撮ってますが、特に時間がたってから見た時に記憶を揺り動かされるような写真が好きです。

山形桂司
2児の父親。普段は子供の変なことをしそうなタイミングをスナップ。
心が揺さぶられる写真が好き。あとGR大好き。先にテーマを決めてから、追い込んでいくタイプ。

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【使用スペース:EAST 301】