布村千夏 『君影 ―我々は何気ない―』
布村千夏 『君影 ―我々は何気ない―』
2019.2.22-2019.2.24
[WEST 2-C]
【何気ない】はっきりした考えや意図がなくて行動するさま。
「何気ない」日常をカメラに捉えるように、「私たちの存在は何気ない」。
布村さんが捉えるポートレートの世界観とは。
スペースに入ってまず目に飛び込んでくるのは、壁一面に並べられた風景写真の数々。
朴訥な印象のある木や街中に生きる植物など。
これは「なんでもない事象」(写真を撮られる目的で存在していないもの)の写真群であるそう。
工事現場や雑木林、人から目を向けられることを目的としないそれらも、生活の一部であることには変わりはない。
対面の壁に設置されているのは、布村さんのセルフポートレート。
中高までフェンシングをやっていたという布村さんは、明るく活発な女性の印象そのもの。
髪の流れやポージングまで、個性をいかんなく発揮している、健康的で生き生きとした
イメージが目を引きます。
改めて「ポートレート」と「なんでもない事象」を見比べてみると、イメージに陰陽があることがわかります。
しかし、これらの作品は全て、「何気ない」ことに変わりはないという。
ポートレートと撮ること、撮られること。
人物写真は雑木林や工事現場のように日々の生活の一部であり、決して特別なことではない。
個性や特別な日々を写真に収めることを求められている現代は、「何気ない」ことが求められる時代でもあるのではないでしょうか。
展示は2/25(月)まで。
生活と個人、はたまた社会との繋がりを考えさせられる写真展です。
皆さんは「何気ない」ことを大切にできているでしょうか。
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[WEST 2-C]
staff kome