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ポートレイト展Ⅱ 作品紹介:EAST アートピース「13」〜「19」




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ポートレイト展 - PORTRAIT EXHIBITION -
2018.11.25(日)〜 12.22 (土) 4週間

DESIGN FESTA GALLERY EAST アートピース
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美術の歴史は肖像画の歴史といっても過言ではないくらい、その始まりからもっともポピュラーな題材であり続ける「ポートレイト」。

家族、友人、恋人など身近な誰かはもちろん、自身の姿や想像上の人物まで。「肖像」というテーマのもと、絵画やイラスト、写真など、たくさんのポートレイト作品でアートピースの空間を埋め尽くす企画の第2弾です。

こちらのブログ記事ではポートレイト展Ⅱに出展されている作家19組中6組( EAST アートピース「13」〜「19」)をご紹介します。


E-13
しろいちょこ





さまざまなテイストの人物画を描き分けるしろいちょこさん。
瞳で人物の表情の機微が表現されている点は、どの作品にも共通している特徴の一つです。

大切なものを見つめる眼差しや、思慮深く一点を見据える視点など、人物の背景にあるストーリーをつい想像してみたくなりますね。




メインとなる2点の作品は『ウニヒピリの絵』と題されたもの。
「ウニピピリ」とは、自分の中に住んでいる前世からの記憶を受け継ぐ魂のことなのだそう。

右側の1点は聖母マリアの肖像画を思わせる構図で、何かを祈っている素振りからどこか神聖さも感じます。展示スペースがちょうど見上げた場所に位置していることもあって、教会にでも来ているかのような感覚になります。

https://note.mu/chokochokonote



E-14
中村 沙絵




今回のポートレイト展Ⅱで、ひときわ独特の世界観を放っているのがこちら。
異形頭×女性ポートレイトをコンセプトにした中村沙絵さんによる一連の作品です。

異形頭自体はジャンルとしても確立しており、デザインフェスタの会場でも時折コスチュームを目にしますが、なんていうか、有機物ですらないものを纏ってしまうところまで行っているとは、想像もしていませんでした。




頭以外は可愛い衣装を見に纏った女性そのものなのですが、やはりその頭のメリーゴーランドの存在感はかなりのもの。しかし作品の中の女性はその違和感に対してまったく意に介さず、鏡に向かっています。

こうした鑑賞者と被写体との間に生じているねじれのようなものが、よりいっそう作品を特別なものに仕立てています。

https://www.sae.tokyo/



撮影モデル:しば

http://twitter.com/kabenianaippai

E-15
サイトウ




アマチュア写真家のサイトウさんは、王道のポートレイト写真作品を展示。

色づいたイチョウの葉が地面いっぱいに広がったロケーションはこの季節ぴったりですね。




モデル撮影というとどうしてもかしこまりがちですが、こうやってふとオフになって何気なくカメラを向いた瞬間にこそ、素の表情が出るというもの。

展示されている作品の中でも、こちらは自然光があたらない日陰で撮影されたものと思われますが、そのことでむしろ周りの空気感と被写体の空気感がうまくマッチしているように思います。




E-16
田島 浩司




少女展やコラージュ展など、過去のDFG主催企画展でも作品を発表されている田島 浩司さんは、今回こちらの作品1点を出展しています。

絵の中の女性は実在する人物をベースにしているのか、それとも想像上の人物なのか、想像を掻き立てられますね。半身でこちらを一瞥する表情は、とてもミステリアスな魅力を放っています。




瞳の虹彩も幻想的で、夢を見ているかのような非現実感と浮遊感が漂っています。
描くだけではなく、絵の中の髪飾りは実物が使用されているなど、1点ながら手の込んだ力作です。

E-17
亜月



先日の200人展でも作品を出品していた亜月さん。1点のみ出品の200人展からボリュームアップした展示となっています。

作品はすべてアナログ、即興によって描かれています。
線の一つひとつに、作家が制作をしているリアルタイムのテンションが落とし込まれています。




じっくり見てみると即興で描いているとは思えないほど緻密な線によって構成されているのがわかります。何かを訴えているような表情にも妖艶です。



E-18
Tashiro Yugo『People×People』




自身の身近な人々との交流を通じて、イラストを描くTashiro Yugoさん。

シンガーソングライターでもあるTashiroさんの作品は、ライブハウスの控え室や実際演奏している姿など、「音楽のある場所」にいる人たちのポートレイトが目立ちます。




実際に撮影した写真をベースにイラストを描きあげているため、現実にある風景の中に人物イラストが馴染んでいるのが特徴。ただし人物画のタッチは自身のスタイルそのものです。

実際に交流がある人たちだからこそ、写真からイラストへメディアが変わっても、細かな表情の動きもこぼさずに表現されています。

http://www.popncool.com



E-19
noraneko_nanoda『ポトレ』




最後はnoraneko_nanodaによるポートレイト写真作品のご紹介。
ロケーション、表情、ポージングと一つひとつのカットが実にバリエーションに富んでいます。
今回は壁面のみの展示ですが、ブックとしてまとまった作品でも見てみたい!




これは筆者の完全なる好みの問題なのですが、同じポートレイト写真でも笑顔の写真よりもこうした物憂げな表情の方に惹かれるんですよね。そしてそんな表情を出せるモデルさんも、その表情を引き出せる撮り手も尊敬します。


ポートレイト展は今週末で折り返し地点ですが、まだまだ半分。
各出展者さんとも作品の入れ替えも行なっているので、ぜひ何度でも足をお運びください!