Ji Hye Ahn
『めに する°』
2018.11.20-2018.11.22
at WEST 1-B
韓国出身のアーティスト安知恵さんの初めてとなる個展が開催中。
抽象的な表現とモダンでグラフィカルな表現が融合した絵画作品が並んでいます。
自身初めてとなる今回の個展では、写真のような丸型のキャンパスを使用した絵画作品が多いのが特徴。画面の中でいくつかの形を構成し、そしてまたその形の中で色が混ざり合う、独特の表現をされています。
実際はすべて一枚のキャンバスに描かれておりますが、まるで切り貼りをしているかのように画面が構成されているのがわかるかと思います。
掃き出されたイメージは抽象的なものですが、作品は全て安さんが実際に目で見た風景がベースになっているのだとか。
過去に見た風景を再解釈し、作品を描くシチュエーションが反映されています。
たとえばこちらの作品は雨の日に描いたもので、自宅から少し離れたところにある海辺を眺め、その美しさを表現したものなのだそうです。
旅行が好きという安さんは、行く先々でたくさんの写真を撮り、その中のいくつかの風景がこうした作品となっています。
過去に見た風景を描くとき、そのときに聴いていた音楽と同じものを聴きながら製作に取り組むといいます。
そのときに感じたことだったり、聴いた音だったり匂いだったり、当時を再現しつつも頭の中にある風景をキャンバスに再構築する。安さんのフィルターを通して描かれたこれらの作品は、ぱっと見た印象はたしかに抽象的かもしれませんが、世界のどこかに実際に存在する風景なのです。
濃いブルーが多用されていますが、これは個人的に好きな色なのだそう。
海や雨、それに夜を描くときなど、その特徴的な群青色は随所に使われています。
丸いキャンバスを使用しているのは、自身の中にある「点と線がつながるイメージ」が関係しているそうです。無数に点在する点を繋げていってそれが線をなし、最終的に一つの形=円となる。表現を続ける中で一貫しているテーマがこのような形となって作品として現れているんですね。
人生で初めてという安知恵さんの個展は、本日が最終日となります。
【出展スペース:WEST 1-B】