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#filmisnotdead 気まぐれコラム vol.1



#filmisnotdead
-Film Photography Exhibition-
会期:2018.4.29()〜2018.5.5(
会場:Design Festa Gallery EAST 101, EAST アートピース(出展枠:24)


こんにちは!フィルム写真にフォーカスした企画展『#filmisnotdead』、もうチェックはしましたか?

こちらのブログでは企画担当のDESIGN FESTA GALLERYスタッフ・イサカが、不定期更新で気まぐれにフィルム写真の魅力をお伝えしていこうと思います。初回となる今回は「なぜ再びフィルム写真が人気なの?」という疑問について、あれこれ考えてみました。

それでは張り切ってどうぞ!

テクノロジーの進化がもたらした写真文化全盛期


ツイッターやinstagramなどを見ると、本当にたくさんの人が写真を楽しんでいますよね。
そしてどの作品もクオリティーが高い!
まさに現代は写真文化の全盛期と言えると思います。


それもこれも、デジタルの時代になり誰もが手軽に写真を楽しめるようになったから。

単純に「写真を撮る」という行為だけならスマートフォンでも綺麗に撮れるし、本格的なデジタル一眼レフカメラですら難しい専門知識はいらず、何より初期費用もリーズナブル。
運動会ではお父さんたちがプロ顔負けの機材でファインダーの向こうの子供たちを追いかけ、旅行に行けば多くの人たちが首から一眼レフをぶら下げている光景を目にします。


これだけ気軽に写真を始められる条件が揃っているのだから、これまでよりもずっと写真が身近なものなったのも自然な流れですよね。


写真を誰もが簡単に撮れるようになったということ、そしてinstagramをはじめとした「写真を見せる発信ツール」が多様化したということ、つまりテクノロジーの進化が現代の写真文化の発展に寄与しているということがわかります。

デジタル写真に取って代わられたフィルム写真の現在


そしてデジタル以前、写真を記録できる唯一のメディアがフィルムだったわけです。


少々大げさに表現してしまいましたが、写真ってそもそもフィルムで撮るものだったんです。

しかしデジタルカメラが誕生して以降は、ほぼ数限りなく写真を記録できること、撮った写真をその場で確認ができる/削除ができること、そういった利便性に押され、フィルム写真の市場規模は縮小の一途を辿っていきました。



実際にこの2017年にも富士フイルムのNATURA 1600、写ルンです 1600 Hi・Speedなどの生産・販売終了がアナウンスされました(http://ffis.fujifilm.co.jp/information/articlein_0066.html)。
さらに遡ること5年前、2012年には二大フィルムメーカーの一つ、Kodakが事実上の経営破綻を余儀なくされています。



このように急速な写真のデジタル化が進みフィルム写真を取り巻く環境は決して良いものとは言えないなか、どうしていま再びフィルム写真が注目されているのでしょうか?

インスタがフィルム写真の救世主??


フィルム写真が再評価されている理由は主に二つあると思います。


一つはinstagramです。


2010年よりスマートフォンアプリとして登場したこのソーシャルネットワーキングサービスは、近年で爆発的にユーザー数を増やし、写真を使ってコミュニケーションできるツールとして世界的に定着しています。



特に若い世代に人気のSNSですが、なんといってもその特徴はスマートフォンカメラで撮影した写真を簡単に加工できること。しかもそのフィルターの種類がじつに豊富で、数々のフィルム写真風フィルターを揃えています。



コアユーザーであるデジタルネイティヴ世代(=生まれたときからデジタルデバイスに親しんできた世代)の人たちが、instagramを通じて初めてフィルムならではの風合いに触れることにより、その魅力が再評価されるきっかけとなったのではないでしょうか。



時代は「モノ消費」から「コト消費」へ


1) 「モノ消費」、「コト消費」とは?


そして二つ目は現代人の消費傾向が「モノ消費」から「コト消費」へシフトしてきたということが挙げられます。


モノ消費とは「個別の製品やサービスの持つ機能的価値を消費する消費活動のこと」(出典:コトバンク)。
それに対してコト消費とは「製品を購入して使用したり、単品の機能的なサービスを享受するのみでなく、個別の事象が連なった総体である“一連の体験”を対象とした消費活動のこと」(出典:コトバンク)とあります。



CD不況が叫ばれ表面的な音楽市場が縮小していると言われる一方、音楽フェスティバルやコンサートなどの「音楽を体験する機会」の動員数や開催数が年々増加傾向にあるということも、この消費傾向の現れと言えます。



そうはいってもそんな話がフィルム人気と関係あるの?といまいちピンとこない方が大半だと思うので、この「消費活動」という考え方を写真に当てはめてみましょう。


2) 便利さの反動として再び脚光をあびるフィルムの作法



デジタルカメラが登場して以来、誰でも簡単に、手軽に写真を楽しめるようになったということは前述した通りです。

「簡単になった」、「手軽になった」ということはつまり、それまで面倒だった、ともすれば写真という趣味を始める障壁ともなっていた行程を省けるようになったということ。


デジタルカメラの機能は半年単位でアップデートを続け、いまやプロのカメラマンが撮るような綺麗な写真を設定一つで簡単に撮れるようになりました。

それだけでなく記録メディアに保存すれば何千何万と好きなだけシャッターを切れる。そして失敗した写真はすぐ消せる。利便性を考えれば、写真を始めるためにデジタルカメラを選ぶのは必然です。


さてその結果、写真好きの間には一通りデジタルカメラが行き渡り、特別写真が趣味ではない人ですら、いまやデジタル一眼レフを持ち歩く新時代に突入しているのです。



近年のフィルム写真人気はその反動ではないでしょうか。


「簡単に撮れるのは良いけど、何か物足りないなー」と感じている人たちがフィルム写真の魅力に気づき始めたこと、これを「モノ消費からコト消費へのシフト」に当てはめることができます。



フィルム写真の魅力ってなに?とフィルム写真好きの人に聞いてみると

「現像を待っている間のワクワク感」だったり、「うまく撮れているかどうかわからないけど、良い写真があったときの喜び」

という言葉が返ってきます。つまり写真を撮り、写真として形となるまでの一つひとつの行程を楽しんでいるんですね。


これはそのまま「製品を購入して使用したり、単品の機能的なサービスを享受するのみでなく、個別の事象が連なった総体である“一連の体験”を対象とした消費活動のこと」という「コト消費」の特徴に合致します。



近年フィルム写真が注目を集めている理由として考えられるのが、以上の二つ。
時代の流れがフィルム写真にとって、うまいこと追い風になっているのかもしれません。


フィルム写真は忙しい現代人を癒す至高の文化


初めてカメラを手にして、撮り切った一本のフィルムを町の写真屋さんに持って行くときのドキドキ、現像が上がるまでの期待と不安、そして出来上がった写真をお店で確認して、良い写真が撮れていたときの感動はいまでも鮮明に思い出せます。

こんな一連の「写真体験」が、いままさに再び評価されているのではないでしょうか。




時間に追われる生活のなかで、限られた余暇を「体験すること」に使い私生活を充実させていきたいという、現代日本人ならではの願望こそがフィルム写真に再び光をあてたということが言えるかもしれません。



少々堅い話ばかりとなってしまいましたが、つまりはフィルム写真の煩わしさや面倒くささもすべてが愛おしい、そんなふうに感じている人が少しずつ増えてきたということですね。


気まぐれコラムの第一回はこのへんで終わりにします。
次はフィルム写真の奥深さについて、また気まぐれに語っていきたいと思います!



◇◆◇ただいま出展募集中◇◆◇

#filmisnotdead 
-Film Photography Exhibition-

会期:2018.4.29()〜2018.5.5(
会場:Design Festa Gallery EAST 101, EAST アートピース(出展枠:24)

フィルム写真が主役の、フィルム写真だけの企画展。

せっかく盛り返してきたフィルム写真の灯火を消すわけにはいかない!
この企画展を通じてfilm loversの輪をもっと広げていけるように
フィルムを愛する皆様の出展をお待ちしております!

参加申込みの詳細はコチラ→http://designfestagallery-diary.blogspot.jp/2017/10/filmisnotdead-film-photography.html





お問い合わせ

DESIGN FESTA GALLERY
TEL : 03-3479-1442 (OPEN 11:00 - 20:00)
ご質問等はお気軽に上記までお問い合わせください。