皆さんは闇鍋の経験ありますか?
ぐつぐつ煮たった鍋の中に、参加者が好き放題食材を入れて、
それを照明消した闇の中でつつきあうという料理(?)です。
掴んだものは必ず食べなきゃいけない。
それが何であろうと。
桜井れみさん、池田ほなみさん、阿久澤 愛さん、金 ソヨンさん、渡辺 颯さん
5人が入れた食材(作品)はどのような味に仕上がったのか?
バイオハザードシリーズで遊んだ経験のある方なら伝わるでしょう。
タイラントを彷彿とさせる立体作品が、あろうことか、鍋にぶち込まれている。
ネタ作品であるとは理解しつつも、
そのディティール、拘りが半端では無い。
これこそ、闇鍋の魅力。
目があったら、エキスを絞り取るまで観賞してください。
闇鍋、その内部は必然とごったがえす。
組み合わせのバランスも考慮されず、
与えられた空間を作品がどん欲なまでに喰い尽す。
そして隣接した他作家の作品と弱肉強食の争い。
誰かを尊重する余裕も必要もなく、
ただ、自己主張のみを求められる場所。
埋もれたら、負け。
綺麗に整列させ展示することがアウトローな気分に思えてくる。
どんなに味気の無い食材(作品)でも、
調味料一つで味は上にも下にも行ける。
体裁を整えることが必ずプラスにはならない場所。
そんな身勝手極まりない空間の中でも、
自己の居場所を見つけ、居座る作品があります。
ただ鍋の中に放り込むのではなく、
どうすれば闇鍋の一部として機能させられるか?を
予め練った作品が突出します。
全ての過程はまるで椅子取りゲームのよう。
何でも放り込むことはできるけど、それだけじゃ底に沈む。
(通常のグループ展の多くもそれに)
実際の闇鍋と違って照明は勿論付いているので、
全てを見とおした後、観者から個々に優劣の判断を下される。
ポップに見えて、実はシビアな展示だと思いました。
(ぱんだ)