aminさん 『文字折り紙』
正方形の折り紙を折ってアルファベットにしたもの、それを元にデザインした折り紙でTHANK YOUという文字を作ったものが展示されています。
折り紙でアルファベットを作った時の苦労やTHANK YOUという文字を選んだことなど、作品に付随する諸々のこともよく練られていて素敵だと思うんですが、それがなくてもデザインされた折り紙のかっこよさで満足してしまいました。
佐々木悠人さん 『始まりの頃の』
現在スペースデザインを学ぶ佐々木さんは、今回の展示では写真の他にスペースデザインも手掛けています。 居住スペースの中の家具にとりわけ興味があり、広く色々学ぶ為にスペースデザインを勉強することにしたそうです。
写真は元々撮っていたもので、この写真は撮る写真の方向性を決めるきっかけになった写真だそうです。「居住スペースの中の家具」という興味とはまた別の「白いぼんやりした広い」空間が追求されているのが興味深いです。
shihoさん 『無題』
種明かしをしてしまうと、アクリルの立方体の影を撮った写真です。「ものの影が作る多様性(別に見えること、変化すること)に興味を持っていた」というshihoさんは、今回「なんだかわからない写真が撮りたかった」そうです。確かになんだかわからないのですが、なんだか綺麗で「それがなんであるか」わからなくてもいいや、という気分になれる写真でした。それはたぶん、一見さらりと撮ったように見えるけれど、shihoさんの試行錯誤や学び、気付きが詰まっているからなのだと、お話を聞いていて思いました。
kinkoさん『画正方形』
もともと『新・正方形』というタイトルはkinkoさんが「ずっと温めてきた」言葉遊びだそうです。作品には全体的にそういう下ねた要素は皆無ですが、「タイトルを口に出した時に事故っちゃ」えば面白いなとkinkoさんは笑っていました。もちろん『画正方形』も言葉遊びです。結構男性来場者は笑ってくれたとか。笑えないのは包茎男子だけですね!
さて真面目に作品の話をします。タイトルを決めた後に「正方形って意外に生活の中にないよね」ということになり、色々考えていたところ、「画像を拡大していくと正方形が現れる」「つまりそこら中に正方形はある!」と気がついたとのことです。そこからイルミネーションやサイケ柄、VJの画像を見つけて拡大し、紙袋にしました。紙袋はどこにでもあるものだからです。
着眼点も面白いし。袋もかっこいい。そして、話をしていく中で「展示のためのミーティングを週1でしていた」ということも知り、言葉遊びから始まっていながらもしっかりと準備をし、互いに(厳しく)講評し合い、丁寧に積み上げて作ってきた展示なのだなと感じました。
展示をぐるっと見てまず持った感想が「さすが、桑沢。」無駄を最小限に押さえ、独特の着眼点で作品に落とし込むセンスと技術がさすがです。
DF STAFF KOZUE