『antiparallel』
2022/10/22 - 10/30
[ WEST 1-C ]
2枚の世界が重なり出来上がる景色。
メガネを通して見る完成された世界と、なにもかけず見る完成された世界。
ステレオ写真と呼ばれる技法で撮影された写真作品を展示しているこちらの展示。
ステレオ写真とは、赤と青の2枚の写真を重ね合わせでできる写真で、専用のメガネを使用してみると立体に見える、3D写真のことです。
作家のAmanozyaku Lab.さんは、ステレオ写真を撮影するために、中古で見つけたレンズが2個ついた専用のカメラを使用したり、フィルムカメラの多重露光の技術を応用したり、時にはスマートフォンを使って撮影することもあるそう!
ステレオ写真の仕組みを熟知しているからこその発想力とアイディアで、いろんな撮影方法を試して制作しているんだとか。
こちらはフィルムカメラを使用して、ステレオ写真を撮影する際に使用する機材。
作家さんお手製の機材で、フィルムカメラを使用してステレオ写真を撮影される方はおそらくAmanozyaku lab.さんのみ!!!
作りはシンプルなようですが、撮影するには細かなバランスが必要なため、なかなか難しいようです。
ひと昔前の写真や映画には、3D技術がよく使用されていてワクワクされられるサプライズであり、子供心に戻ることのできる仕掛けでした。
しかし時代は進化し、現代ではVRなど3Dよりもよりリアルで鮮明な技術が生まれました。
その技術はPCの力を用いて作られ、現実のようだが現実離れした世界を生み出します。
しかしあえてアナログな方法にこだわり、人の感覚や手仕事で摩訶不思議な世界を生み出す、その技術、探究心は職人のようです。
『antipallel』の展示のおもしろさは、写真以外にもあります。
ただの写真展示ではなく、写真を用いた立体作品やなんと漢字ドリルまで!
個人的にとても興味深かったものが、こちらの作品。
こちらは会場に置いてある作品集で使用された300枚の写真から、赤色、青色だけを抽出し、それを重ね合わせてできた作品。
濃淡があり、意図せず自然に生まれたグラデーションが一つの作品として完成していています。
ステレオ写真という作品に今回初めて出会った私ですが、たくさんの可能性、そしてステレオ写真というジャンルに括られながらも、全く異なる形への変化など、終始わくわくしながら作家さんのお話を聞かせてもらいました。
一つの作品を完成させるために、二面と二色を必要とする作品。
それはまるで、普段自分が眺めている完成された景色は、二面のものから成り立っていると教えられているような気持ちになりました。
そしてフィルター(メガネ)をかけて見ている世界を完璧な完成したものとしてみていても、実は本来のフィルターをかけずに見える姿もまた完成されたものであり、ぶれながらも美しく、『完成されている』かどうかは見ている人が決め、感じるものなのではないかと考えました。
展示は10/30まで。
是非実際にお越しいただいて、メガネを着用して作品お楽しみください!!
<スペース詳細はこちら>
[ WEST 1-C ]
STAFF:ALISA
ステレオ写真とは、赤と青の2枚の写真を重ね合わせでできる写真で、専用のメガネを使用してみると立体に見える、3D写真のことです。
ステレオ写真の仕組みを熟知しているからこその発想力とアイディアで、いろんな撮影方法を試して制作しているんだとか。
作家さんお手製の機材で、フィルムカメラを使用してステレオ写真を撮影される方はおそらくAmanozyaku lab.さんのみ!!!
作りはシンプルなようですが、撮影するには細かなバランスが必要なため、なかなか難しいようです。
その技術はPCの力を用いて作られ、現実のようだが現実離れした世界を生み出します。
しかしあえてアナログな方法にこだわり、人の感覚や手仕事で摩訶不思議な世界を生み出す、その技術、探究心は職人のようです。
濃淡があり、意図せず自然に生まれたグラデーションが一つの作品として完成していています。
ステレオ写真という作品に今回初めて出会った私ですが、たくさんの可能性、そしてステレオ写真というジャンルに括られながらも、全く異なる形への変化など、終始わくわくしながら作家さんのお話を聞かせてもらいました。
それはまるで、普段自分が眺めている完成された景色は、二面のものから成り立っていると教えられているような気持ちになりました。
そしてフィルター(メガネ)をかけて見ている世界を完璧な完成したものとしてみていても、実は本来のフィルターをかけずに見える姿もまた完成されたものであり、ぶれながらも美しく、『完成されている』かどうかは見ている人が決め、感じるものなのではないかと考えました。