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『少年展3』


『少年展3』
2021.4.11-2021.4.17
[WEST 1-F]

人間の成長過程において、まず目に見える変化は肉体の成長がひとつ。
こと男性においては、骨格や筋肉の発達、髭や体毛が濃くなるなど、身体的な容姿の変化がより顕著に表れます。
少年が少年でいられる限られた時間、その儚さや尊さといったものが濃縮された、7名による少年たちの肖像と対峙されてみてはいかがでしょうか。
一部となりますが、展示の模様をご紹介いたします。

井坂名月子


井坂名月子さんが描かれる肖像は、がっちりとした骨格に、若々しさが溢れる男性の姿。
日本画の独特のタッチが生み出す肌の深み、そして具象と抽象が混ざり合う世界観は凛とした佇まいで、一人一人の個性の奥行きを感じさせます。
それぞれ目線が混じり合わない3名の視線の先には、何が見えているのでしょうか。

ケイト


球体関節人形を制作しているケイトさんの作品。
二人でひとつ、という印象さえ受ける純真無垢な二人の少年たちは、その色素の薄さからより儚さを醸しています。
奥まで美しく澄んだ青い瞳からは、人形でありながら命の息吹を感じさせ、その美しさに息を飲みます。

mumei


黒髪と憂いを帯びたこちらの少年たちは、mumeiさんの作品群。
日常をこっそりと覗き見ているような、何気ないシチュエーションでありながら、艶やかな瞳に思わず胸が高鳴ります。
日本画特有の岩絵具の質感が服装などに特徴的に表現されており、髪の黒と岩絵具のマットで柔らかい質感のコントラストが彼の無垢さをより引き立たせています。

中村那由多


彫刻作品と球体関節人形を展示中の中村那由多さんの作品は、まるで宗教画に登場するような天使と、足先が蹄になっている少年像。
もはや「少年」という枠組みに囚われない、神聖な「美」の世界がただ静かに佇み、一気に独自の世界観に誘われます。
人形の少年の少しむっちりとした体つきもまた、性差を超えたしなやかな美しさで目を奪われます。

髙久 梓


髙久 梓さんの日本画の作品は、淡色が目に穏やかに入り込んでくるとても優しい世界観です。
こちらの黒子が特徴的な少年像は、柔らかく中性的なイメージを孕み、ぼんやりと見つめる視線がとても美しい作品。
何と言っても目を引く美しい瞳が特徴的で、じっくりと鑑賞していると吸い込まれそうな、柔らかく澄んだ透明感がとても印象的です。

目黒詔子


そして主催者の一人である目黒詔子さんの作品は、ノースリーブにハーフパンツ、裸足といった、幼少期の夏休みを彷彿とさせるような少年たちの像。
伏し目がちの二人の表情は明るいわけではありませんが、彼らの表情も含め、性別を超えて感じられるノスタルジーの世界に引き込まれます。
髪のハネ具合など、リアリティのある細かい描写の様子が随所に見受けられ、時間を忘れて見入ってしまいます。

大山菜々子


そして最後は、大山菜々子さんの作品から特に目に止まった作品をご紹介。
大きな二重に眠そうな瞳、そして艶のある唇がとても印象的な彼は、「あざとい」という言葉を超えた色気と美しさで鑑賞者を魅了します。
きらりと光る瞳の印象がとても美しく、透明感や儚さがより強調されているよう。

7人7様の少年たち。
そこにはジェンダーを超えた「美」と「儚さ」といった神聖な世界が広がり、思わず「尊い…」と唱えてしまう女性は多いはず…
日本画と立体作品の中でも、それぞれの作品の個性が遺憾無く発揮されており、その違いも楽しめるとても見応えのある展示空間です。
作家さんも在廊されておりますので、是非ゆっくりとご鑑賞されてくださいね。

本展は4/17(土)まで。

参加作家

井坂名月子(@wa_____iwai
ケイト(@KTportfolio
mumei(@Mume_I_
中村那由多(@nayuta_nakamura
髙久 梓(@nikawamin
目黒詔子(@serene0302
大山菜々子(@nanako_oyama

<スペース詳細はこちら>

[WEST 1-F]

staff kome