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98 『小市民展』



98『小市民展』
2021.3.12-2021.3.14
at WEST 1-F

桑沢デザイン研究所に在籍する3名によるイラスト、写真、版画のグループ展が開催中!
日々の暮らしの中でほっと一息つけるような作品が並ぶ展示会です。



桑沢デザイン研究所に在籍するサヅカマリさん、ハラダアイコさん、コヅチユカさんによるグループ展。それぞれ異なる表現形態で制作した作品が並ぶこの『小市民展』は、作品の纏う空気感が通底しているような気がして、落ち着いた展示空間となっています。

実は同展示は、昨年の新型コロナウィルス感染症による1回目の緊急事態宣言の直前に行われた展示のいわばリバイバル。奇しくも2回目の緊急事態宣言下で開催となりましたが、1年を経て内容も変わり、新たな作品が披露されています。

サヅカマリさんの写真作品は、スナップ写真をベースとしながらも独特の視点から時折日常に潜むエアーポケットのような場面が現れています。




演出をしないそこにあるがままの風景が、見方や視点によって劇的にその様相が違って見えてきます。こちらの写真も、一見空を写した写真に見えますが、それが実はガラス戸のような鏡面にリフレクションした風景であり、レイヤーが折り重なっているということがわかります。

当たり前のように存在するものが、手を加えずとも見方や切り取り方次第でバグのような違和感に変わるという、写真ならではの本質を巧みに利用した作品です。




版画の技法をベースとし、シルクスクリーンやリトグラフを使って作品制作をするハラダアイコさん。前回の展示から引き続き、なだらかな線が印象的なイラストレーションを爽快感ある着彩によって鮮やかに作品に仕上げています。




生活の中にある日課をイラストで表現した『ルーティン』という作品。

象徴的な部分をクローズアップして描いたイラストを、プリントによる複製でテキスタイルのような感覚でリピートすることによって、「ルーティン」が表現されています。

繰り返しのパターンが並ぶことで日々の連なりを意識できるのと同時に、シンプルにビジュアル面での遊び心も魅力的な作品です。




ハラダさんのイラストをモチーフとしたグッズも、在廊時限定ではありますが購入可能です。
気になった方はぜひお手にとってご覧ください。




人々の生きる環境を中立的に見つめ、丁寧に線を重ねて描くコヅチユカさん。
誰の日常でも穏やかなものばかりではありませんが、心を許した人に見せるふと緩いだ表情を切り取ったような、人間らしい顔が並びます。


展示は3/14(日)まで開催中です。




【出展スペース:WEST 1-F】