バナーエリア

このブログを検索

『あけましてん -HAPPY NEW YEAR EXHIBITION-』展示紹介 part1





『あけましてん -HAPPY NEW YEAR EXHIBITION-』
日時:2021年1月31日(日)〜2月13日(土)[2週間]
会場:EAST館1Fアートピース

2021年を新鮮な気持ちで始めよう!
ということで企画された『あけましてん -HAPPY NEW YEAR EXHIBITION-』が開催中です。

新年の幕開けをたくさんのアートで祝福すべく、12組の作家が一堂に会しました。
こちらのブログでは、6組の作家の展示の様子を紹介いたします。


Atsushi Yoshida



ターコイズブルーの背景が印象的に目に飛び込んでくるAtsushi Yoshidaさんの作品。

マスクで顔を覆われた人物、ザリガニと蛾のハイブリッド、ミニマルな絵作りの抽象モチーフを描いているサイズの異なる3作は、細かい要素がクロスオーバーしていて、共通の世界観を表現しているように見えます。




いまやすっかり慣れっこになってしまったマスク。
ただしパンデミック以前にも、日本では本来の用途とは別の使い方で着用している人もいました。

自らのコンプレックスを見せないように、もしくは多くの人と関わりあう中で自分の存在を目立たせないようにするといった日本人特有の羞恥心に対する処世術を、「顔を覆い隠したマスク姿の人物」という没個性を描くことで象徴的に表現しています。

SNS

榎本 大翔



二人展での出展やグループ展の企画など、これまでさまざまな機会でデザインフェスタギャラリーに関わってこられた榎本 大翔さん。今回の展示では、初の展示にて見られたような特徴的なミクスドメディア作品を出品しています。

雑誌や新聞などの紙媒体を一度パルプ状に戻してミックスした素材を使い、さまざまな形態へ再構築するという榎本さんの作品。今回の作品では、まるで地表から幾重にも重なった層が露出しているかのような、自然物のような存在感があります。




こちらは向かって右側の作品をクローズアップしたもの。
谷底に流れる川が断崖絶壁から顔をのぞかしているかのような、荘厳さも感じられる作品です。

自然物のような趣の一方で、その実これを形作っているのは大量生産された、いわば工業製品。そんな相対する要素が同居する作品には、榎本さんにしか出し得ない深みがあります。


SNS

Glory



台湾出身のアーティスト Gloryさんによる色彩豊かな作品。
色が溢れ、戯れているかのような生命力を感じさせる作品です。

三点はそれぞれ、透過性の支持体に描かれており、それにより画材の持つ素材感がそのまま、時間が止まったかのように定着して、瑞々しさがあります。




ドリッピングによる表現はしぶきのような躍動感を与え、さらに筆の動きがダイレクトに画面に残る様子から身体性をともなうことで、より一層色彩が生き生きとしているように感じられます。

写真ではなかなか良さを伝えることが難しいので、ぜひ原画を見て欲しい作品です。


web site


タニモト 大作



昨年11月に開催されたコラージュ展やデザインフェスタにおける巨大ライブペイントスペースをフル活用したライブコラージュなど、洗練された世界観を発信し続けているタニモト大作さん。今回の展示では「平面領域と立体領域の定義を問う」というテーマのもと、こちらの1点を展示。

フレームの中にさらに境界が仕込まれ、中には真っ白なボタンダウンシャツが折りたたまれ、窮屈そうに閉じ込められています。




白いシャツには、タニモトさんの表現の中で特徴的とも言える「ライン」が、糸によって描かれています。

「平面」そして「立体」という言葉については、こと美術においては辞書的な定義を抜きにするならば、捉え方は鑑賞者によって揺らぐもの。しかしその「揺らぎ」こそ、美術鑑賞を楽しむために与えられた「余白」とも言えるし、本作における「問う」というテーマや作品の示す姿勢によって、それを観る私たちとの間に対話を促していると考えることもできます。

web site
SNS

瑞雪



デザインフェスタの出展を通して作品を発表している瑞雪さん。
ギャラリーでは、単発のイベントを除き本格的に企画展へ出展されるのは今回が初となります。

瑞雪さんは、スナップ写真のような何気ない住宅街の風景を、建物が描くシルエットと陽の光によって叙情的に描いている作品が特徴的です。




帰り時を知らせるメロディーが聞こえてきそうなほど、懐かしさに訴えてくる風景。
決して細密に表現しているわけではないのに、とてつもなくリアルに見えてきます。

きっと誰もが経験したような風景を描くことで、自分が幼い頃に見たであろう記憶が目の前で再生されているような没入感があります。

web site

SNS

J.



ドライフラワーの持つ儚さや、咲き切ったのちに手に入れる永遠の美しさを表現しているJ.さん。
今回の作品はシャビーなドライフラワーの印象とはまた一味違う、パステル調の華やかな色彩を描いています。

大中小3点の作品はそれぞれに使っている色のトーンが整えられていて、一つひとつのキャラクターが描き分けられているために愛着の湧く作作品ばかり。まるで花屋さんに行って、どの花を飾ろうか悩んでいるときのような感覚にさせてくれます。




一番サイズの大きい作品は、寒色から暖色へ緩やかに傾いていくグラデーションや、枝葉が生き生きと踊るような表現など、儚いながらも力強い存在感があります。

着彩の上に白色のメディウムが織り交ぜられていることで柔らかな感触が画面から伝わり、手触りや作品が持つ優しさが見ているだけでも感じられます。背景を白く統一することで壁面の白に溶け込み、まるで実物の花が目の前に掛かっているかのよう。


SNS



『あけましてん -HAPPY NEW YEAR EXHIBITION-』は2/13(土)まで開催中!
コロナ禍という難しい状況の最中ではございますが、展示会は感染症対策を講じた上、運営をしております。
ご無理のない範囲で、お近くに来た際はぜひ足をお運びください。




新型コロナウィルス感染症感染予防策 ご協力のお願い

新型コロナウィルス感染症感染予防の観点から、ご来館の際は下記の対策にご協力をお願いいたします。

新型コロナウィルス感染症感染予防策ご協力のお願い(2021.1.8更新)