Kevin Yang
2020.8.19 - 2020.8.21
[ WEST 1-B ]
心の中を表しているかのようなポートレートや日常風景の写真が並ぶ、Kevin Yangさんの個展が開催されました。自分自身を見つめ直すきっかけを与えてくれる展示です。
『自尊心』を今回の展示テーマに選ばれたKevin Yangさん。自尊心とは、自分自身を尊重する気持ちのことですが、一体どのように表現されたのでしょうか。各作品と共に考察していきたいと思います。
薄暗い場所で遠くを見る女性。表情は険しく、とても幸せそうな表情とは言えません。顔半分の影がより負の感情を感じさせます。テーマに沿って考えるとするならば、周囲を気にして自分を出せない、自信が無いという状態にも思えます。
一方こちらの写真は、少し笑みを浮かべた表情に見えます。何か良いことがあったのか、自信があるのか、前向きな印象を受けます。
遠くからこちらを見つめる女性。少し怪しい雰囲気も感じますが、自信に満ち溢れた表情をしています。しかし、心の奥というのはそう簡単に分かるものではないので、見た目のイメージだけで決めつけるのはよくありませんよね。
また、『内省』をもう一つのテーマとして撮影されているとのこと。内省とは、自分の心の中を見つめ、自分の考えや言動について省みること。これは自分自身の成長にとても重要な行為なのではないでしょうか。ポートレートを撮影することで、撮影された本人は写真を通して自分を見つめ直すことができるかもしれません。
ここまでは被写体側の心についてだけを考えてきましたが、おそらく鑑賞者側の立場でも同テーマで考察するべきなのでしょう。
こちらは映画のワンシーンを見ているかのような写真です。とても良い雰囲気でお互いを想い合っているようです。鑑賞者側は客観的にこの状況を見ることができますが、撮影された本人たちは、良くも悪くもそんなことを考えている冷静さはないかもしれませんね。
今回、ポートレートや日常の写真を鑑賞して感じたことは、何も喋っていなくても表情はその人自身を表し、そのまま周囲の人に伝わってしまうということ。心は顔や態度に表れてしまうため、改めて気をつけなければいけないということ。自分が写っている訳ではありませんが、それらに気づかせてくれる展示でした。
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[ WEST 1-B ]