marumocci (マルモッチ)
『ダルマサンガオキアガッタ展』
2019.1.13 -2019.1.15
at WEST 1-B
一昨年の『Christmas Market in Harajuku』から1年余を経て開催されているmarumocciさんの2度目の個展。
今回は新年の「祈り」を一つのコンセプトに、オリジナルの祈りオブジェ「テノリイノリ」を中心とした作品がラインナップされています。
ながめるだけで癒しを与えてくれる「テノリイノリ」。
「テノリイノリ」とは「手のひらに乗る祈り」、「手のひらから祈る祈り」から生まれたmarumocciさんの造語で、「祈ることは身の回りにある小さな幸せに気づいたり、くじけることがあっても生き抜く力を与えてくれる」というmarumocciさんの思いが込められています。
デザインフェスタギャラリーのある原宿の駅は、明治神宮の森の香りが駅のホームに漂う、都内でも珍しく自然が感じられる場所でもあります。『ダルマサンガオキアガッタ展』はそんなことに気づいたmarumocchiさんが、新年のこの時期に「ダルマ」のように真っ赤なテノリイノリを提げて開催されている展示です。
スペースの中心にはそれぞれに表情の違うテノリイノリが数多く展示され、「祈りの部屋」を模したような空間を演出するために、この写真のような「祈りの絵」の作品が並んでいます。
イギリス・コーンウォールでキルティングの技術を学び、またハワイで出会ったという染色の技法を織り交ぜた、自身のこれまでが詰まっています。
「フリーソーイング」のできるキルティング専用のミシンで線を描き、綿を詰めて立体感を表現した複合的な作品。染めて、塗って、描き足してという工程を行き来して作品が作り上げられているのだそう。
丸みを帯びているせいか、祈りを捧げるその表情はとても穏やかに見えます。
見ているこちらの顔もつい和らいでしまいそう。
テノリイノリはまんまるなものだけではなく、様々な形をしています。
こちらに並んでいるのは蓮の花から生まれたテノリイノリ。
この作品たちのように、テノリイノリは私たちの暮らしの身近にあるものから生まれ、祈りを捧げています。
日本人は宗教に寛容で、それは「八百万の神」という考え方から代表されるように、自然にごく当たり前に私たちが生活の中にすんなりと受け入れているからなのかもしれません。
「手に乗る祈り」、ぜひ一度乗せてみてください。
【出展スペース:WEST 1-B】