『しわしわのシーツ』
KIRITORI
2018.5.28 - 2018.5.30
[WEST 1-C]
イラスト、絵画、詩… KIRITORIはそれぞれの媒体によって「日常」をモチーフに表現する5人組のアーティストグループ。
本展でも、「日常」の象徴として掲げられた「しわしわのシーツ」というタイトルとともに、現在暮らす毎日がいとおしくなるような作品たちを展開しています。
部屋から溢れんばかりの創作意欲に満ちた出展作家さんの作品を、ほんの一部ではありますがそれぞれご紹介いたします。
くまぞう
鮮やかな色あいと繊細な描写が爽やかに画面を彩る本作は、メインビジュアルのイラストも担当されたくまぞうさんによる作品です。日本的で身近な「日常」を彷彿とさせながらも、よく見ればそれは現実離れをした構成の上で描かれており、「日常」と「非日常」の取り扱いの巧妙さに脱帽しました。
tmk.
くまぞうさんの作品とは対照的に、極めて限られた線・限られた色で構成されたこちらのイラストたちはtmk.さんによるもの。おふたりの対照的な作品が混ぜ込まれるような展示方法も魅力的です。
シンプルな線によって描写されるにもかかわらず、ふとした表情・ふとした空気は色鮮やかに目に映り、描かれたシーンのひとつひとつが印象深く記憶に焼きつきます。
yoru.
こちらの詩はyoru.さんによる作品。なにげなく通りすぎていく、されどちょっとした場所に(ここではシーツに)累積し重なりゆく日常を謳います。
本作、よく見ると刺繍によって綴られているのが分かりますでしょうか。本展の開催が決まった際、展覧会においてどのように自作をアウトプットするべきか考えを凝らし、こうして刺繍で提示することにしたのだそうです。ペンで紙に書く際よりも時間をかけて自作と向き合う刺繍という行為そのものにパフォーマンス性を帯びた素敵な作品です。
ひらり
ひらりさんはアニメーション映像でご自身の思い描く「日常」を表現します。アニメーションの制作はとても時間のかかるものかと思いますが、独特のやわらかい線とリズムで人物が動き出し、ご自身の作風に対する愛着や作業の丁寧さを思わせます。
絶妙な場所に展示されているので、ぜひ探してゆっくりとご覧になってください。どうぞお見逃しなく!
原田舞子
原田舞子さんも文章で「日常」を表現します。
五感の記憶中にいつの日か肌に触れた風の温度を思い起こさせるような、鮮烈でどこか懐かしさの漂う詩です。ふだんから小説や詩の執筆をされる原田さんは、イベントなどでも著作を頒布されるのだそうです。
そんな原田舞子さんの著作は物販コーナーで購入することができます。
ほかにも過去にKIRITORIが発刊したZINEなど、物販コーナーも充実。
ぜひ、お手にとってみてください。
制作がたのしくてたのしくて仕方がないという雰囲気が在廊中のアーティストたちからも作品からも痛烈に伝わる展覧会です。
KIRITORIメンバーたちの「日常」にはもちろん作品のモチーフとして扱われる様々な物や景色が存在しながらも、その大部分を創作活動が占めているのではないでしょうか。果てしない創作意欲に非常に刺激を受けます。今後の活躍もたのしみです。
●KIRITORIメンバー
原田舞子
くまぞう
tmk.
ひらり
yoru.
twitter: https://twitter.com/kiritori_kuzira
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