美少女の集い『はざま展』2018.5.3 - 2018.5.6


美少女の集い『はざま展』
2018.5.3 - 2018.5.6
[EAST 302]


<多摩美術大学 統合デザイン学科有志グループ>
 石川美幸、岩崎由紀子、江口光希、亀井杏果、
 今西真衣香、上田海帆、勝田楓、川嶋香穂


19歳。大人と呼ぶにはまだ幼く、子どもと呼ぶにはあらゆることを知りすぎた複雑な年頃。
大人と子どもの「はざま」で揺れる19歳の少女/女性の視点を、デザインや絵画など、とらわれないメディアで鮮烈に描くグループ展が開催されています。
本展を構成する多摩美術大学統合デザイン学科有志によるメンバーは、それぞれがおなじく19歳であるという共通点を持ちます。
それゆえすべての作品には、爽やかな、されどヒリヒリと痛みもする19歳のリアルな心情が映し出されていました。




スペースに足を踏み入れれば、淡いタッチのものから力強い雰囲気を持つものまで、多岐にわたる作品たちが来場者を迎え、どの作品にも目を惹かれます。

そんな本展に参加する若き8名の作家たちとその作品を一部ご紹介いたします。



●石川美幸
「過ぎゆく時の果て」

こちらは石川美幸さんによる絵画作品。
写実的に描かれた人物に反して、その手中の花々は抽象的に描写されているのが印象的です。人間の一生に対してとても短い花の命。そして人間の人生においておなじように短い、少女という時代。美しいものの儚さと、儚いからこそ美しく目にうつるものたちに思いを馳せる作品です。



●岩崎由紀子
「いつだって、」

「いつだっていまが最高だった。わたしの歩む人生は。嬉しいも苦しいも全部ひっくるめて私。子供の頃の私も今からの私もきっと私は好きになる。」

だれかの「思い出」を彷彿とさせるイラストの集合で構成される本作は岩崎由紀子さんによるもの。ひとりの少女が大人になりゆく過程と、そのすべてがかけがえのないものであることが伝わり、あたたかな気分を味わいます。



●江口光希
「19歳 春夏秋冬」


春夏秋冬をイメージしたパターンと、少女とも女性ともとれる人物の肖像画で成る本作。
こちらは江口光希さんによる作品です。
描かれた春夏秋冬の横には、それぞれ詩が添えられています。
 

19歳ならではの視点で描写される、春夏秋冬を想う言葉にもぜひご注目ください。



●亀井杏果
「moment」

「大人でも、子どもでもないあなたたちの笑顔は
 武器でもサービスでもないから
 あなただけのもの」

19歳という、若く、「じぶん」と向き合うことにほとんどの時間を費やすことが許されるかけがえのない時間。好きなことに熱中したり、考えたり、悩んだり、立ち止まったり…。
亀井杏果さんが描く「moment」その一瞬一瞬を眺めれば、つい、楽しいだけではなくいつも悩みや葛藤が付いて回る若き日々に思いを馳せてしまいます。
至極シンプルに線や色を使われているにもかかわらず、しんしんと伝わる人物の表情や空気感は圧巻です。



●今西真衣香
 「女性らしく」

メイク用ポーチを手にする少女。その瞳の中にはビーズがあしらわれ、きらきら鮮やかに輝きます。
少女を待ち受ける未来への期待感や憧れが、ガーリーでかわいらしいタッチで描かれています。
大人の女性に憧れ背伸びをする年頃の、ひたむきな姿にいとしさが募る作品です。



●上田海帆

「茶色の猫」

本作は、上田海帆さんによる絵本を展示の形態に落とし込んだもの。
「私の十九年は猫でできている」という一節が大きく提示される本作は、作者が小学校から現在まで猫とふれあいつづけてきた体験を元に描かれているのだそうです。
猫に寄り添う生活のなかで作者が学んだ事柄を、外国の絵本のようなキャッチーな語り口で読者にも追体験させてくれる作品です。



●勝田楓
「ここは窮屈」

「未成年。この言葉に縛られてやりたいことができやしない。自身でやりたいことがある。この年齢ではできないことがまだたくさんある。あぁ、早く大人になりたい。」

どこかいじけたような風情でしゃがみこむ少女の姿が、淡いピンク色の肌で窮屈そうに画面に浮かび上がります。
画面全体に強度があり、一度目にしたら忘れられないような存在感が光っていました。
軽妙な筆致と、丁寧に描かれた髪の靡きや視線、指先の動きにもご注目ください。



●川嶋香穂
「go back / move on」

「子どものころに戻りたい」「はやく大人になりたい」。
19歳という年齢のはざまで揺れる矛盾した感情を表現すべく、子ども時代を過ごした作者のご実家周辺の風景と、現在暮らす東京の風景を描き混在させています。
淡く色鮮やかに描かれた牧歌的な景色と、モノトーンでスタイリッシュに描かれたビルの建ち並ぶ街。
前者がご実家周辺の風景で、後者が東京なのでしょうか。
ご自身の抱かれる哀愁や憧憬と、実際の風景をオーバーラップさせた表現が巧妙です。


すべての大人たちが必ずしも通過してきた、大人と子どもの「はざま」という時代。
本展には、いままさにその年頃を生きる19歳の少女/女性たちによる想いを描いた鮮烈な作品が集結します。
各作品の精度の高さもまた刺激的です。
会期は6日(日)まで。ぜひご高覧ください!


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美少女の集い『はざま展』
2018.5.3 - 2018.5.6
[EAST 302]


多摩美術大学 統合デザイン学科有志グループ

石川美幸、岩崎由紀子、江口光希、亀井杏果、
今西真衣香、上田海帆、勝田楓、川嶋香穂
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Staff satomi