パンイチ展


 『パンイチ展』
会期:2017.1.21 - 2017.1.29
WEST : ART PIECE 全スペース

「パンツ一丁」というテーマに沿って、
総勢13組の作家が作品を展示。
その名も『パンイチ展』
刺激的な視覚情報が、通りがかる来場者の足を止めています。





私個人の印象に留まりますが、2、3年前くらいから
「パンツ」というモチーフ・テーマ性を持った展示会を、
頻繁に見かけるようになりました。

下着として肌に密着している「パンツ」は、
私たちの生活にも物理的に密着しています。

清潔感があり、装飾性の高いパンツは外見だけでも評価されることもありましょうが、
ときには着用するイメージに対し、生活感を感じ取り、
パンツの内側、隠された中身へと興味を持たせることもあります。

このように実はダイナミズムを感じさせ得る可能性を持ったものが
「パンツ」である、ということかもしれません。


「緑」あおい

作品紹介一点目からパンツが見えない写真をセレクトしてしまいました。
上半身のイメージだけでも、その全体像、柔な肉付きを想像するのは容易でしょう。
誰にも管理されず、ただ与えられた自然環境だけですくすく育ったであろう植物の間で、
同じように、呼吸するように、佇むパンツ一丁の女の子。

奥まって、充分に陽射しが当たらない葉っぱのように、
パンツの色は少し濃いめのグリーン。
グラマーだけど、観葉植物のよこに飾ってみてはどうだろうかと提案します。

パンツが気になるあなたは、是非、会場へ。


「ねこぱん」あめのいち


何のアニメか、忘れてしまいましたが、
とある女性キャラクターのパンツが見える瞬間に、
「ニャーン」という鳴き声が重ねられていたことを思い出しました。
(猫のキャラクタのプリントがされていたパンツを履いていた)

つまり、下着を見られてしまったこともショックであったが、
「猫の下着」を見られてしまったことのショックを伝える表現でありました。
本作は、同様のショックを想像させることを意識している印象を受けました。

絵画だから、音は聞こえないけど、
「ニャーン」という音が脳内に響くように。


「wonderland」後藤さん


一つ目の少女の影響か、
バックグラウンドのイメージは、臓物、芋虫、タラコ、肉。
不安な空気感のただ中に、彼女は存在している印象である。

がしかし、彼女は現在の空間を嫌っているようには見えず、
それどころか、住み慣れた我が家的なスタイル。
そんな非日常的な空間内でも、彼女はパンツを履いている。
なぜなのか?その疑問こそ彼女に対する最大の疑問であり、
パンドラの箱にも似ている。


「何やってんの」スイミンスキー


本展示会では「女性用パンツ・女の子」が登場する作品が大多数の中、
ブリーフ(?)一丁で寒空の下に躍り出る男の子を描いたスイミンスキーさん。
家の屋根にも、車にも既に充分な雪が積もっているけど、
彼の上には積もっていないし、今後もそうであろう。
内なるエネルギーが肉体から外部へと放出され、
彼に近付く雪は全て、蒸発してしまうのだ、多分。


「ぷりけつ」ジャンボりんご


絵の具が塗りたくられた木製パネルに、
リボンとチャームの装飾が付いたパンツを履かせている。
豊満のヒップ、そのアウトラインを表現するのはグレーの絵の具。

しかし丸みを帯びたラインよりも、ヒップからウエストにかけての抽象表現の方が、
彼女の栄養状態を示すことにかけては活躍している印象である。
抽象的なヒントからの、ぷりけつ。


「怠惰」大ライス


冒頭に申し上げた「生活感」を最も意識させたのは本作。
彼女のキャラクタを大きく表現する表情はほどよく簡略化され、
怠惰というタイトルをわかりやすく示す役目を果たすに対し、
首から下にかけては、ゴリゴリと、写実的に描写された皮膚と筋肉が目につく。

怠惰、筋肉が弛緩するイメージを私たちに持たせようとしながらも、
実のところ、表情筋以外は意外に精力的に日常生活を持続させようとしている。
そんなことを想う。

中でも最もピュアな存在は、黙って皮膚に張り付く純白のパンツ、健気だ。
しかし内側を覆いつつも、同時に外部に曝け出そうとする欲望が、
見え隠れしている(気がする)


model:灯月いつか
photo:ひこ
Rope:堂山鉄心

強烈なライトで白ばむ柔肌は、
真っ赤な口紅と真っ赤なロープ、
秘部を覆う黒い下着、
装飾と拘束と秘匿に包まれている。

強烈に性をアピールする、大人のパンツ。
その色は、誰かの為に。

 
「なきむし」ナカダイ ユミ


「女の子×パンツ」の組み合わせであれば、
沢山目にすることもありそうな、通称縞パン。
本展示会では、レアな存在です。

本作で用いられる赤色は、
情熱の赤、というよりも、幼少期の赤。
極端に申すならば、りんごほっぺ的なもの。
肉付きは良いが、それはまだ緩急が生まれる以前、
成長期に至る前の肉体のように観察される。

滲んだ赤色と青色が混ざり、混濁する様は、
まだまだ成長過程、その精神状態の象徴が縞パンなのかも。


こうしてパンツについて文章を綴っていると、
パンツって奥深いなぁとしみじみ思います。
男性においても女性においても、
パンツを着用する意味は、意識の有無に関わらず、
着用者にとって多大な影響を与えているのだろうと。
その影響を改めて作品に還元することで、
パンツが、パンツに付随するのものがクリアになる。

真面目にパンツ。

もちろん、本展示会でご紹介した以外にも多数の作品がございます。
しかもその多くは会場にて即売を行っております。
お安くお求めになれる原画作品多数。是非生で、ご覧ください。


(ぱんだ)