宇野 好美『PREMIUM EXHIBITION IV Parallaxis』1-A



WEST館全スペースを使用して開催中
神島プレミアムクラス 『PREMIUM EXHIBITION IV Parallaxis』
2016.5.24 - 2016.5.29

今回は 1-A スペースに出展されている、
宇野 好美さんの作品をご紹介致します。

■プロフィール
プレミアム加入年 2011年
受賞歴
2011年 第51回富士フィルムフォトコンテスト フォトブック部門入選 個展歴など
2014年 グループ展「ココロオドル」72Gallery
2015年 8月個展「ボタニカル」Roonee247Photography
■普段何に心をうごかされて考えてシャッターを切っているか。
私にとってカメラという道具は現実の世界を写しつつ、非現実の世界に連れて行ってくれるひとつのツ ールです。
シャッターを切るときは無心に切っているので、何を撮るのか、どのように撮るのかは撮る直前まではっきり意識していません。
カメラを持ち、撮影が始まってから撮りたいものがみえてきます。
強いて言えば、撮りながらその時に面白いと感じるものにシャッターを向けています。
■今回の展示の見所
今回は、作品制作を通して自分の内面に目を向けてみました。撮り進めていくうちに、
出来上がった写真から感じるイメージは自分にとって何を意味するのかを考えてみました。
皆さんが見て感じるものと、私の感じたものと違うかもしれませんが自由に見てください。







プリントした写真はキャンバスの表面に貼られている。
これは、初めての試みとのことである。
額装、マット等の呪縛から放たれることを望むかのように、
写真と絵画の境界を行き来する。

キャンバスの最も外側に塗布されたのはシルバーの塗料であるが、
実は、塗料は複数色、何層にも分けて塗られている。

宇野さんは普段から絵画作品の制作には携わっているわけではなく、
とある画家の図録等も参考に制作をなされたとのこと。




青々しく立派に育ったそれは、
サトイモ。

バックグラウンドは印象的なほど、
眩しい白さに包まれており、
強烈に飛び込んでくる、サトイモ。

この印象的な白さを表現する為のテクニックは、
秘密とのこと。うーん、きになる。




葉脈、水分・養分の道筋は、
私たちのにおける血管のように、
生命の鼓動を感じる。

実物より拡大プリントされた状態は、
その鼓動を増幅させるように。


個人的な話で大変恐縮であるが、
私は蟻を殺せない(殺さない)

記憶では、図鑑で蟻の拡大図を見てから、
蟻の身体的特徴を知り、怖くなかったから、というのが理由。
この拡大された葉脈からも、同様の恐怖を感じた。




いつもと変わりないことが、
その倍率を変えるだけで、大きく様変わりする。

茎がその太さを変えれば、
食べられたはずの固さが、こん棒の固さをイメージさせたりもする。

そんな日常生活を送る上で些細な無視しても支障ない考えを、
不思議と誘発させるのは、前述のバックグラウンドの力だろうか。




「プレパラートに挟んで、顕微鏡越しに撮影された」
と宇野さんが仰られたとしたら
「なるほど」
と返したであろうが、そうではない。
(繰り返すがテクニックは秘密)

確かにあったものを確かに捉え、
それではないものに置換する技。

また、シルバーの塗料と葉っぱの色彩のコントラストも印象深く、
遠目に見ると、絵画作品のようで、
絵画と写真を行き来しつつも、一つの作品として着地する冷静さ。




偶然にも昨日、
「生きているとはどのような状態を指し示すのか」
ということを悶々と考えていたのですが、
「動くこと」という一つの結論を出しました。

上記作品、色彩と濃淡の印象から、
青虫のイメージを持ったことを宇野さんにお伝えしたら、
宇野さんも青虫のイメージで制作されたとのお答えでした。

そのイメージの発端は「動きそうな葉っぱだな」という思いでした。
そこから生命の気配を感じたという経緯。

そしてペインティングという行為を取り込んだ意図の一つに、
時間経過という要素を取り込みたかった、と宇野さん。

どの方向からどの方向へ筆を移動させたのか、
容易にわかるその表層を眺め、
移動の回数や速度、繭を形成するイメージを脳裏に浮かべるなどして、
楽しむ、不思議な経験をした。



神島プレミアムクラス 『PREMIUM EXHIBITION IV Parallaxis』