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まいまい堂 個展『 箱庭 』



まいまい堂 個展『 箱庭 』
WEST : 1-A にて開催中

それはまるで、幽体離脱をして、
自分で自分を俯瞰するかのようだ。







作家名を変えて「まいまい堂」としての初個展

画用紙の薄らクリームがかった白と
染み出たインクの黒が折り重なり、
静かに波紋を広げる。





今展示会のタイトルは『箱庭』

まいまい堂さんご自身が持つ、箱庭のイメージを伺ったところ、
ミニチュアの様に内包されているイメージとのお答えを頂きました。

それは、画用紙の中にいる二人の美女を
テントが包み、また画用紙のふちがそれを包み、
またアクリルカバーが、ブラックのマットが包み、
また展示空間が包み...とどこまでも。
何もかもが内包される、地続きの世界。

そんなテーマを語るにあたり、
サーカス/テントをモチーフとして選択、絶妙である。

内側に居る者に対してのみ行われる摩訶不思議な催しをちらつかせ、
外側に「おいで」と誘いをかける様が、
ただの布地の内と外との異質さを語る。

内へ歩み、我を忘れ没頭する幸福もあれば、
外へ出て、冷静さをまとい、分析と想像に浸る幸福もある。
内からの誘惑と対する葛藤の図式。





描画、インクの痕跡は刺青のように刺々しい。
確かな存在感を放ち、
花びら一枚一枚をつまみ取ることも、
その柔い目の玉に指を差し込むことも、
可能であると思わせる。





さて、絵が表出しているということは、
画用紙以外の存在があきらかであり。
またインクが全く別の存在に成り代わろうと
強い意志を持っている状態である。





線は

箱になり、
地球にもなり、
光にもなり、
闇にもなり、
地平にもなる。

そんな認識を私達が果たした時点で、
線は異なる意味をまとい、内包される。





大きく瞳を描いた、まいまい堂さんの作品。

そう、薄い膜を張った瞳の中にも、
カモメや空の情景を取り込むことができる。

しかし「見る」とだけ捉えてしまうのは勿体ない。
自らの内に取り込んでしまった方が良いと思う。


そうすれば、
より自分と自分以外の存在の存在、位置、関係を
識別することが可能となり。

それはまるで、幽体離脱をして、
自分で自分を俯瞰するような体験に
通じているかもしれないのだから。

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まいまい堂 『箱庭』
会期:2014.10.11 - 2014.10.13
WEST : 1-A


(ぱんだ)