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ピンクの象はアルカロイドの夢をみるか?


東京造形大学 カイシゼミナール2期生有志
『ピンクの象はアルカロイドの夢をみるか?』

2014.8.15 - 2014.8.19
WEST 1-F

-以下展示コンセプト引用文-
展示テーマは『妄想』「○○が」「○○で」「○○した」という言葉のかかれたくじをひき、できあがった文章を元にそれぞれが妄想をふくらませ作品に落とし込んでいきます。

15人の作り上げた妄想の世界を覗き込む非日常的な展示です。メインモチーフのピンクの象は幻覚や妄想のシンボルです。


DMのデザインにもなっているピンク色の象は「幻覚症状の湾曲表現」という意味も持っているそうですよ。



空間は照明によりピンク色に染まり、不思議な作品がずらりと並びます。
足を踏み入れた瞬間からこの独特の空気に飲み込まれます。


妄想は誰もがするものですが、それを視覚化するのは難しい。
視覚化するのであればこうだろう、というところから考えなければならないからだ。
与えられたくじが組み立てた言葉は日常ではまず聞くことはない。

例えば、こうだ。
「家電が 北極で 買い物をする」
「体の一部が ロッカーで 鬱憤を晴らす」
「ナースが 水中で 笑う」
「キリンが 屋上で 口を開く」


そこから生まれてくる作品が説得力を欠くのは当然だ。
説得力があれば、妄想は崩れてしまう。現実味を帯びないほうがいい。

例えばこの不思議な物体に意味があるのかどうかはわからない。
赤と青の線は不規則に現れるよれに逆らうことなく地点から地点へとつながれていく。
断片的な記憶や、言葉をつなぐように。






この作品の作者の有坂さんはトップ画像にも載せたドット絵作品も制作されている。
ドット絵を見たときのちょっと不安になる感覚は、妄想の持つ脆さにも似ているのかもしれない。


この展示会は配布されるパンフレットに目を通してはじめて真の意味を知ることになる。
作品そのものも、展示構成も緻密に練られて完成された体験型のアートだと思っていいだろう。


展示会は明日迄。
是非ご覧ください。


(chida)