木下 理子 | Kinoshita Riko
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科
坂上 友萌 | Sakagami Tomoe
東京造形大学造形学部美術学科
" 空のきわ。星のきわ。世界のきわ "
WEST / 2-E
透明水彩を用いて作品制作を行う木下さん。
箱/ボックスのモチーフが点在している。
作品の中には人の姿は一つも見えない。
でも、感じる、形跡。
息をひそめ隠れているもの
記憶、過去
遠い景色の中に見えるもの。
「 風待ち 」
透明水彩、パステル
三点並んだ新作の中でも、個人的にお気に入り。
広い壁にぽつんと空いた窓。
(寒い地域にある家は窓が小さいとか聞いたことがある)
一面に積もった雪と屋根の上に積もった雪。
頼り無さげにつき立つアンテナ。
タイトルのように、風を待つ、何かがやってくるのを待つ。
それはこの穏やかな情景をかえるきっかけ。
壁に直接ピンで留められている。
フリーハンドで円形に切り取られた情景は、
まるで地面ごと新たな大地に「おひっこし」したみたい。
木下さんが描く「家」はとてもシンプルな構造。
そして「家」の中は暗くて見えない。
どう想像するか。
土煙が立ち上るような空、
生い茂ったグリーン。
色が様々な想像を引っ張ってくる。
また自作のブローチも「家」の形をしていた。
敷き詰めた芝生の上に両手ひろげ横たわる姿が愛らしい。
絵画作品をはじめ、展示作品の販売もされています。
気になったら、木下さんに聞いてみよう。
「 左と表の麗しさ 」
油彩、クレヨン
絵の形、言葉選び。
それらが記号らしさを帯びている。
水中/地上/空中とか。
高さ、位置で区別をし、
それぞれに色や形を与えるように。
情報量を圧縮したことによる
ジャギーだらけの情景とか。
「 こさえ 」
油彩
坂上さんの作品から、
私は強烈に形を意識させられているのだろう。
構造が作り出す強度、その用途。
しかし、モノとしては見ていない。
恐らく、自分をこの世界に投影し、
飛び込んだ小さな私は、歩いている。
「 風景 」
部屋の片隅に4点飾られたドローイングより、
2点ご紹介致します。
油彩表現、混濁する視覚情報から放たれて
素直な形で表現されている。
私がイメージしたのは「流氷」でした。
洗われ、角が取れて、漂い、佇む姿。
「 石のドローイング 」
表面は全てフラットだけど、
切り取られ方と、断面のカラーにある違い。
グリーンの断面は、森と山。
ブラウンの断面は、コンクリートと地層。
私達のイマジネーションの柔らかい部分を
ぐりぐり押してくれる作品。
作品の中にある、きわ。
地平線、水平線を見にいらしてください。
展示期間/ 2014.3.13 - 2014.3.17
(ぱんだ)