言葉と写真。
増田達郎さんの展示です。
高校の頃から文芸部に所属しており、現在は大学で国文学を勉強しているという経歴を聞いて、思わず納得してしまいました。
撮りためてきた写真と写真の間をぽつん、ぽつんと詩や独白が繋いでいきます。
写真も素敵ですが、情景思い浮かびそこから感情まで伝わってくるような、想像力をかき立てる文章に、増田さんの力量を感じます。
ネパールから来た男(正確には何人なのか分からない絶妙な表現!)の浅黒い肌、笑う口元からこぼれるやたら白い歯、他愛も無い発言に親しみと喜びを感じた感覚・・・。そんなことを想像しました。
また、この展示に寄せた「新聞の切り抜き」という小説もあります。
伝えたいことを言葉にすると、違うものになってしまう気がする。
例えば記号だとか、漠然としたイメージのように。
『言葉は全てイメージです』というタイトルには、そんな意味が込められています。
イメージのようにぼんやりとしか伝わらないかもしれない言葉を、文字通りイメージである写真と共に展示し、空間を作りました。
以前から「人をそれぞれが持っている日常から、自分のつくった空間に連れ出したい」という思いがあったそうです。
そうした思いを一度実行し、今後どこへ向かい何をするのか。
文学や言葉、表現することに対する増田さんの情熱に触れながら、彼の今後の活動を楽しみに思いました。
DF STAFF KOZUE
カテゴリー:
Design Festa Gallery 原宿
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