郵便で届いたオリジナル作品を
送ることで完成するアート
「 メールアート展 」
WEST : 2-E にて開催中です。
郵便で届いたオリジナル作品であれば、ジャンルを問わずに受け付けるという
DFG初の試み、メールアート展。
国内外問わず、様々な地域から作品が届きました。
送られた荷物/作品を開封せず、そのまま展示するという
珍しい手法に多くのアーティストが反応したようです。
Herao Grinningさん
「切手の額が不足しています」というエラーメッセージを堂々と掲げながらも
メールアート展に殴り込みをかけた一作。
とてもとても図々しいけど、
スタイリッシュな外見でありながら、パンチの効いた1通。
よくぞ届いた!
高橋歩美さん
作品受け取りの際に、
「こ、これは作品、作品なんだよね」
とスタッフ間でもガヤガヤした一作。
コンセプトやガイドラインを決めたスタッフ側にも衝撃が走った。
先程のエアメールの封筒よりも日本人にとってはなじみ深い茶封筒で、
ここまで深く切り込まれるとは...
Le Ann Marruffoさん
HIPPO(カバ)を描いた作品、と紹介してしまうと
絵画というくくりに収まってしまうけど。
もちろん、こちらの作品も郵送で送られてきました。
イラストボードをそのまま、表面を保護せず。
陽気な表情のカバは、海と国を渡って原宿にやってきました。
Heidi Knuthさん
メールアートの最もオーソドックスな形といいましょうか。
直筆のイラストレーションが添えられたポストカード。
色味のあるペンで描かれた触り心地良さそうなキャラクター達は
ポストに入って、これまた海や国を越えて来た。
本当にお疲れ様、無事到着しました。
Tonyさん
Le Ann Marruffoさんと一緒に出展頂きましたTonyさん
同じくイラストボードにペンで描画した作品
空も山も景色が線で描かれる。
厚めのコートを羽織り山間に佇む男性。
この景色、この作品は遠くニューヨークから届きました。
Stephanie Husbandさん
ポストカードに厚みが与えられた。
それは切り貼りされた海辺の景色。
ただ情景を作り上げたのではなく、
これは誰かに届けることを目的として
切り取られた景色。
この夏は意識の中にたゆたうものか、
それとも作者の馴染みある場所なのか。
想像の機会が数センチの紙から与えられた。
キヨカズさん
段ボールの中、つぶらな瞳を上目がちにし、
私達を見上げる、猫。
そうです、もふもふした「猫」がメールアート展に搬入、登場です。
外部からも見える様に梱包材の一部が切り取られ、透明なボードをはめこみ。
荷札を付けて、猫を送った。
愛くるしい姿と荷物にされてしまった事実のギャップ。
想像すると楽しい、配達員が今作品を運ぶときの気持ち。
見えない場所にだって楽しみを探してしまう。
(尚、一部生物をのぞき原則生物は郵送できません。真似ダメ絶対!)
Sarah Feinermanさん
これはカウボーイハットで良いのでしょうか。
厚手で丈夫な素材によって作られたハットが、
これまた分厚い荷札をくくり付けられて到着致しました。
ハットの頭頂部の傷、それは元々付いていたものか。
それとも使用途中に増えていった傷跡なのか。
日用品は生活の痕跡を携えている。
その想いを私達は読み取ることができるだろうか。
MNatさん
サンフランシスコから届けられたシューズは
鮮やかピンクなペンキを塗布し、
沈んだ黒いスプレーを浴びて、パンキッシュ。
このシューズ、片足だけでも充分な重量があり、
両足を通し、歩くだけでも疲れてしまうんじゃないかなとか
変なことを考えてしまった。
シューズはキャンバスとなったのか。
それとも供養としてのペンティングであったのか。
この思い切りの良さには惹かれるものがある。
---
と、参加作品全てを順にご紹介しましたが、
ご覧の通り個性という言葉はこの為にあるかのように
強い主張の連続でありました。
「送る」という行為が作品に与えうる影響を
これでもかと体感する展示会でした。
本日9/28(sat)の19時までの公開となります。
(ぱんだ)