女子美術大学美術学科洋画専攻
小宮 麻吏奈さん 個展
" こんなところに愛がある! "
WEST : 2-D にて開催中
" 楽園をみる " |
「人」に強い関心を抱いているという小宮 麻吏奈さん
最も人らしい形をしていたのはこちらの作品だと思う。
人を認識するパーツとして大きく機能するのは
バストアップ、輪郭、顔。
目鼻口が覆われると、ごっそりと情報量が失われて、
空洞が生まれ、入れ子になる。
空洞になれば、
物も精神をも受け入れる余裕が生まれる。
楽園を夢見ることだって、できる。
" ネオンは私たちの欲望を反映する " |
ネオンサイン、その多くは現代人が生きる為に、
金銭を獲得する為に、自己主張する為に制作されたもの。
目立つことに徹したそのデザインは、
昼夜を問わず、声高に主張を続ける。
その大き過ぎる声は、
国、都市によっては景観条例で規制されるほど。
ここに挙げられたネオンサインは全て、
金銭の受け渡し/流通を促す場所からの発信。
私達は自身の金銭を対価にして、
衣食住等の欲求を満たしていく。
別腹、別腹。
足らないならキャッシングを。
私個人が思うネオンサインのイメージは、
「歓楽街、夜の街」
決してポジティブなイメージではない。
だからこそ、より強く浮き上がる
欲望の二言。
この二作の流れからも、
意図された作品展開が読み取れる。
鑑賞者として、見ることに手応え/感触を感じ取れることが
嬉しくなる。
" 他人のクラクション " |
今展示会のコンセプトは
" 思いもよらない孤独と共感と愛とコミュニケーション人 "
クラクションは、他者へのメッセージ。
あ、人の表情を持つ不可解な生物たちが、
敵性/外部からの侵入を警戒する抗体に見えてきた。
サーチライト、サーチライト!
大きな音、クラクションは、
「ここにいるよ」
ちょっと強引なコミュニケーション。
質問に対する答え、一つ一つを、
質問者側にずばんっ!と、投げ返してくれる。
今展示会は、日常生活/大学における制作の流れの中における
節目になりるだろうと、小宮さん。
今後の指針を訪ねたところ、
具体的な手法とその先までのプロセスまでもが
言葉にできる段階にまで進まれていました。
在廊期間中に描き上げ、新たに展示されたドローイングの数々も、
次の過程にあるのです。
学外のギャラリー展示は初めてという小宮 麻吏奈さん
日々、大学の講師/教授や友人達と作品の意見交換会も
行っていらっしゃることもあり、終始貫禄ある受け答え。
圧倒されつつある状態でふと、本日着てらっしゃったTシャツが気になって
「どこで買ったんですか?」と聞いてみたら、
「レオ・レオニの展覧会で買いました」との答え。
ふっと空気がゆるんだ瞬間でした。
先週、私も行ったばかりだったのです。
〆
小宮 麻吏奈さんの個展は7月30日(火)までの公開です。
是非、作家との交流を。
P.S スペース内に準備されたポートフォリオより
一点だけご紹介させてください。
" A finger "
うーん、タイトルでやられる。
(ぱんだ)