ネガティブな気持ちに苛まれたときこそ
人間味溢れた真っすぐな力が現れる。
彼女の意見に同調したところから話が弾みました。
東京藝術大学院に通う小金澤京さんの
初の個展「湿原」が EAST102 で開催されました。
表題にもなっている湿原は
イギリスの湿地帯から着想を得たものだそう。
繊細なペン画でイラストを描き
それらを素材にして絵本や映像作品を作っています。
デザイン科ということも関係しているのでしょうか、
その構成力には目を見張るものがあります。
西洋風の風貌を持った人が描かれていますが、
ペンのタッチはどこか和を感じさせる。
ぼく自身が、昔友人から借りた「ポーの一族」などにどこか共通性を見出したので
伺ってみたところ、作者である萩尾 望都さんに影響を受けた面もあるそうです。
タイポグラフィにも彼女の
動物園の案内板がこうであれば、という思いもあったのでしょう。
動物のイニシャルを取り、そして描き、
A - Zまでのアルファベットをアニマルタイポグラフィに置換させています。
2メートル近くあるであろう作品も展示されました。
レンガ塀をペンのハッチングだけで表現しています。
これが妙にリアルで、インテリアというよりは
何かに対する障壁に成りうる存在なのかなと深読みしてみたり・・・。
絵本の原画なども見れます。
白黒の画面に映える赤はステンシルによってつけられたもの。
独特の色の乗り方、にじみ、はみ出し具合など
随所に作品への愛が感じられます。
残念ながら会期は終了してしまいましたが、
小金澤さんの今後の活躍に期待です。
--- けんや ---