桑沢デザイン研究所同期生三人組によるグループ展
『 My Favorite Books 』
今展示では挿絵をテーマとし、
イグサのかさというイギリスの物語を取り上げています。
桑沢デザインの方の作品はいつも装飾が丁寧。
壁面には、物語を知らない方に向けて、
かいつまんだストーリーが掲示されてあります。
このボード一つとっても、
絵画作品への導入部としてふさわしい装飾。
勿論、室内には書籍も用意されており。
受け手となる来場者側の判断で、物語の奥深くに足を踏み込める。
それらが絵画作品を目立たせるために、
清潔感と調和を保つデザインであるということ。
こういった点が、強固な 展示 の外殻でありましょう。
さて、肝心の作品のご紹介に移ります。
今回は物語冒頭のシーンを抜粋させて頂きます。
「すると、沼のトリたちが、
その歌に耳をすまして、歌いかえしました。」
小松 桃子
「イグサのかさは、にっこりし、いたずらそうな目をして、いいました。
それでは、わたしも、その人を見たかったわ。
でも、わたしは、もうきっと、その人を見ることはないでしょうよ。」
柳田 有里佳
「主人のむすこは、すぐに、むすめに目をつけて、
その前にひくく頭をたれると、
つぎのおどりを、いっしょにおどってくれるように、とたのみました...」
遊馬 典子
三人の作家がバトンを受け渡し、
一つの物語を紡ぐ。
この空間、彼女達は読み手ではなく描き手となり、
その想いも綴られています。
既に完成された物語をなぞり、
新たな物語が原作に折り重なる、展示。
1月27日(日) までの開催となります。
(ぱんだ)