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Tuesday


智実アリスさん、ユツカリナさん
高校生のお二人による高校最初で最後の絵画展示
WEST : 1-A にて開催中



" ねえ、どうして。 "

智実アリスさんは今回、油絵を数点展示されています。
彼女の作品はタイトルの付け方が独特だなと感じます。
私個人の感想ではありますが、彼女のタイトルはワンクッションを置いた後の
このタイトルなのではないかと。
より自身の感情が反映された言葉がキャンバス外にあるのです。

キャンバス外部から作品を鑑賞する立場。


今作品は、テーマとして 竹取物語/かぐや姫 が組み込まれているとのこと。
可愛らしい女性のモチーフが主張はするのだけど、
荒々しいストロークや毒々しい色彩が、
別の物語を創造していく。

タイトルの前と後ろには、
それぞれどんな言葉が浮き出てくるのか?
是非、作家とのコミュニケーションを経て辿り着いて欲しい。
その過程がとても面白い。


"考えなくても湧いてくる妄想"

高校生/大学生、モラトリアムの季節は
些細な出来事に翻弄される日々であります。
その日常のごった煮を形にした今作品。

具体性と抽象性が油彩で見事に入り交じる。


ストロークの軌跡を遡ってみれば、
突如振り下ろされた筆の始まりと始まりに視線が止まる。
彼女は多くの作品を感情の赴くままに描いている。
そしてその純度がとても高いのだろう。
荒々しい造形の上で熱量が保たれている。

また、形も色も、それが多くの人が嫌悪感を抱くものであろうと、
彼女は必要であれば検討の余地もなく、用いることが出来る。
その精神の力強さにも惹かれる。



ユツカリナさんは主に鉛筆と水彩絵具を用いて制作されています。
ご自身の心象風景を描く智美アリスさんと対比するならば、
より距離を置いて、俯瞰する立場であるのがユツカさん。

人物はその空間を映えさせる為に創造されて、
バックグラウンドで物語の広がり、"動"を見せる。


"ウタワズ"



小さくなったアリスが椅子の上に佇んでいる。
その下に注がれた多量の湖の中には、
コラージュされた物質が沈んでいく最中。
切り貼りされた古道具達の存在は、支持体とはまた別次元の存在をちらつかせる。

同様に作品のイメージに近しいマスキングテープを用いることで、
テープとしての用途を脱却し、作品に馴染んでいく。

その制作過程、とても柔らかな手つきであります。


今展示会は 12月19日(水) までの開催です。
ご来場お待ちしております。

(ぱんだ)