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『第11回 グループ脳天気展』:10月13日(土)まで WEST 1-F

WEST 1-Fではグループ展
『第11回 グループ脳天気展』が開催中です。


総勢11名による今回の展示。
充実した作品数もさることながら、
それぞれの作品が持つ面白さにも
満足して頂ける展示です。

各作家さんの作品をご覧ください。

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青木 才寿(あおきさいじ)さん
俵屋曾々利達 作
『酔神・逃神之図』

屏風絵のような上の作品と
イラストタッチの下の作品。
2つの作品の画風は異なり、
一見双方に関連はないようにも見受けられます。
しかし、人物に注目してもう一度ご覧下さい。
同じ人物が描かれています。
まるで描かれている2人の人物の
前世と現世を描いているようです。

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上原 章(うえはらあきら)さん
『酒乱戒め之図』

インパクトのあるタイトル、そして絵。
かの有名な歌川広重『名所江戸百景 深川萬年橋』に対する
オマージュ作品とも言える一枚です。
広重作品の吊るされた亀に代わり、
タイトルからも想像できるように
こちらの作品では吊るされた酒乱が描かれています。
ふんどし一丁で顔を真っ赤にしている姿は
まさに戒めそのもの。
酒乱もきっと反省することでしょう。

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鈴木 達雄(すずきたつお)さん
上下に並べられた2枚の作品。
まわしを締めた熟年男女。
人物の周りには、世間で思われている
おじさん、おばさんの嫌なイメージが
散りばめられています。
とても面白いので少しだけ紹介します。

東 雇われ席取り
あらゆる手段を講じて席を奪う真の席取り・・
悲しきサラリーマンの性?
朝の張り出し横綱
雇われ山
/
西 浪速の席取り
「えんりょ」と言う言葉はもはや通用しない
浪速が生んだおかん根性?
昼の割り込み横綱
婆婆登(ばばと)

一体どちらが勝つのか・・・。
あなたはどちらを応援しますか?

乗車券売場を撮影したこちらの一枚。
実はこの写真、ある仕掛けがあるのです。
あるスイッチを入れるとこちらの写真が・・・
どうなるのか知りたい人は
実際にギャラリーで確かめてくださいね。 

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内村 文男(うちむらふみお)さん
『冬の魔人(樹氷)』
撮影場所 山形蔵王

日本の樹氷名所ともいわれる
山形県蔵王で撮影された写真です。
無数の樹氷が連なる景観に思わず息を飲むことでしょう。
蔵王の気象、地形、地質が
樹氷の美林を創り出すのに適しているため、
このような壮大な景色を生み出しているそうです。
ぜひ一度実際に見てみたい光景です。

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岩瀬 武夫(いわせたけお)さん
『都会の朝』

タイトルが示す通り、
都会の朝に撮影された写真です。
これらの写真を見て
妙に納得してしまう人も多いことでしょう。
道路で寝ている人や町中でキスをする男女。
好感を持たれるような行動ではないかもしれませんが、
どこか憎めない姿です。

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宮城 春代(みやぎはるよ)さん
『夕光』と『春光』

「光」にテーマを当てた2枚の写真。
『夕光』は南国で撮影された写真でしょうか。
あたたかみを感じる一枚です。
夕焼けの色合いが誘発するセンチメンタルな感情が
胸の奥にぐっと入ってくる感覚。
好きです。
「光」がテーマということもあり、
どちらの写真からもあたたかみを感じますが、
そのあたたかみの違いを楽しんで頂ける作品です。

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野本 和俊(のもとかずとし)さん
『Lisbon』

『Lisbon』というタイトルから、
ポルトガルの首都、リスボンで撮影された写真ということが想像できます。
繰り返される日常の一瞬を切り取ったような写真。
とりわけ特別な事はないようでありながらも、
ありふれた日常の一瞬を切り取ることで、
その一瞬の偶然性や価値を見出しているように思えます。
それにしても、新聞を読む紳士があまりにもお洒落でかっこよくて
思わず惚れ惚れしてしまいます。

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砂井 千恵子(すないちえこ)さん
花材 
核:石化柳、雪柳
葉:葉蘭
花:鶏頭
実:シンフォリカルポス(雪晃木)

今回の展示の中で唯一のオブジェ作品。
植物を使用した作品です。
ヤナギ科の植物を核に、葉や花が色を挿しています。
植物が持つ自然な曲線美と芯となる木の直線が調和して、
優雅で美しい空気を織り成しています。

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福島 進(ふくしますすむ)さん
『混沌 1』と『混沌 2』

二部作で構成される『混沌』作品。
こちらで使用されているのはなんと電子板です。
電子板の上には黒、青、赤、白などの色が
渦を巻いており、まさに「混沌」を表現した作品です。
規則正しく並ぶ電子板の持つ無機質なイメージから、
都会のビル群を思い浮かべました。
都会で繰り広げられる混沌とした世界。
みなさんはこの作品からどんな混沌を思い浮かべるでしょうか。

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松本 仁成(まつもとじんせい)さん
にいがた高柳町『狐の夜祭り』と
にいがた・山古志村『牛の角突き』

新潟で開催される2つのお祭りを撮影した写真。
どちらも人間以外の力を感じる写真です。
『狐の夜祭り』では参列者が狐の面を被り、
提灯をかざして歩いており、その姿はとても幻想的です。
『牛の角突き』の写真からは、牛の有り余る闘争心が感じられます。
江戸時代から行われているこちらのお祭りでは、
闘牛でありながらも勝敗はつけず、引き分けで終了するのが原則。
神事であること、牛の闘争心を維持することが理由だそうです。

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伊藤 修司(いとうしゅうじ)さん
『裸婦』

髪の毛を束ねた裸婦画。
何も身に纏うことなく、
すべてを曝け出しているようでもありますが、
こちらを向いていないため、表情は伺えません。
一筆一筆に込められた、女性の身体特有の曲線の美しさが
とても印象的な一枚です。

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以上、総勢11名の作品を紹介しましたが、
みなさんいかがでしたか。
各作家の個性を惜しむ事無く表現した作品の数々。
ぜひ一つ一つの作品をじっくりと鑑賞して欲しい展示です。

作家さんのイラストが添えられたプロフィールも可愛く、
そちらも併せてお楽しみ下さい。

10月13日(土)までの展示です。