麻里衣 『ひみつの花園』
2021.8.26-2021.8.31[WEST 1-G]
美大で油絵を学ばれている麻里衣さんの初個展が開催中です。
自分の心が動いた時、いつも彼女の心の中にいたという「まりもちゃん」。
麻里衣さんにとって、まりもちゃんは心の拠り所であり、家族や恋人といった関係性と似ているようで、より特別な存在なのだそう。
麻里衣さんとまりもちゃんのひみつの花園へ誘われてみてはいかがでしょうか？
自分が伝えたいことを作品の中で代弁してくれているのだという「まりもちゃん」。
何かあった時、ノート越しにまりもちゃんと会話をして心の中を整理することも。
まりもちゃんは麻里衣さんの心の中にだけ存在し、麻里衣さんそのものであり、そのものでない、そんな不思議な存在です。
麻里衣さんにとってまりもちゃんは心の拠り所であり、彼女にとってあまりにも大きな存在となっているのだそう。
髪の毛や睫毛、口など、近くで鑑賞するとぷっくりとしたテクスチャーで描かれており、作品に奥行きが感じられます。
丁寧に丁寧に描かれているまりもちゃんの姿に、麻里衣さんの愛情がたっぷり注がれていることがわかります。
こちらは展示会のDMにも採用されている《ひみつの花園》という作品。
上品なピンクを基調とした華やかな本作は、植物に溶け込むようにまりもちゃんたちが描かれており、まるでまりもちゃんが花びらそのもののようにも感じられます。
現在制作されているこのお花がモチーフとなっているシリーズは、こちらの作品が元となっているのだそう。
寝転がった時に、髪の毛が顔を囲むように広がっていた経験をヒントに、本作は制作されています。
近くで拝見すると一線一線とても丁寧に描画されており、時間をかけて制作されていたことがとてもよく伝わります。
一作品ごとに、まりもちゃんへの愛情を込めて丁寧に制作されている麻里衣さん。
まりもちゃん（作品）と向き合った際に生まれたその大切な言葉も大事に鑑賞してもらいたい、という気持ちから、
展示タイトルが記されたキャプションも、ひとつひとつ手が加えられています。
それぞれ異なるデザインとなっているので、タイトルまでくまなく鑑賞されてくださいね。
まりもちゃんが目をつぶっているのは、目が合ってしまった時に何かしらのメッセージを感じ取ってしまうからなのだそう。
逆手に取ると、目をつぶってくれていると、緊張せずに楽な気持ちで彼女と向き合うことができるのだという。
心にもやがかかっている時、支えになってくれる存在がいてくれるだけで、少し気持ちが楽になりますよね。
もしかすると、私たちの心の中にも、まりもちゃんのような存在がいてくれているのかもしれません。
そんな麻里衣さんとまりもちゃんだけのひみつの花園で、心の休息をされてみてください。
本展は8/31（火）まで。
作家詳細
麻里衣
instagram：@marie.791
Twitter：@marimomorimo_0
