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大倉奈々、ヤス・アラタ・タルパ 二人展『なかみをのぞく』



大倉奈々、ヤス・アラタ・タルパ 二人展
『なかみをのぞく』 
2021.6.7-2021.6.13
at WEST 1-D

ともに愛知出身の画家大倉奈々さんと、陶作家のヤス・アラタ・タルパさんによる二人展『なかみをのぞく』が開催中。静謐な空間に存在感のある作品がご覧いただけます。


2019年に、イラストレーター・弾き語りシンガーの猫山モミーさんとの二人展『根暗魂展2』を開催して以来の出展となる陶作家のヤス・アラタ・タルパさん。「器」の形態を取りながらも、小作品においては形態美をあえて崩すような、掴みどころのな存在感を醸す作品が特徴的です。




前回の展示ではイラスト作品と合わせた二人展でしたが、作品のスタイルは不変。
ですが、同居する作品によって変幻自在にその見え方が調和する不思議な作品です。

女性像や花をモチーフとし、静謐さを湛えた作品を描く大倉さんの一連の作品と、自身の作品群との相性が良いのではと考え、今回の二人展に至ったのだそう。




「なかみをのぞく」というタイトルは「覗く」と「除く」の二つの意味が込められているのだそう。「覗く」という見る動作と、「除く」という削ぐ動作は相反しているようですが、平面と立体が同居する空間で、描かれているものや形などの付随する要素(=なかみ)を「除」いたとき、両者(の支持体)はただの物質としてフラットになると言います。

存在として並列となった二つの異なる形態の作品を、まさにその「なかみをのぞく」ように作品に没入(=覗く)する、そんな円環のような仕掛けがこのタイトルに隠されているのです。




二人展のタイトルがそのまま冠された大倉さんの絵画作品。

まさに何かをのぞいているように背を向けている女性が描かれていますが、前述のような展示の意味合いを踏まえてこの作品を見ると、まるでこの視線の作品にヤスさんの作品があるようにも見えてきます。




こちらは大倉奈々さんの「秘密・純潔」という作品。
モヤがかった向こうに数輪の花が見て取れますが、秘密を探るように、そのモヤの先を見てみたいと思わせます。

大倉さんの絵画作品は油彩によるものですが、この作品には和紙が使われていたり、そのほかの作品にも見られるシャビーな質感は日本画のようにも見えます。ぜひじっくり原画を見てもらいたい作品です。




全体として静かな、それでいて一つひとつの作品が力強い存在感を放つ二人展『なかみをのぞく』は6/13(日)まで開催中。コロナ禍ではありますが、ご無理のない範囲でぜひお立ち寄りください。



>>>展示スペースの詳細はこちらから
staff isaka