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WAKAKO 『MUSH ROOM』


『MUSH ROOM』
WAKAKO
2019.3.12-2019.3.14
[EAST 304]

つんと澄ました君、寝ぼけまなこの君、日差しの暑さにフウフウいいながら自転車を漕いで、その後はしゃぎながらプールに飛び込んだ君。
いい男ぶって、天邪鬼で、だけど甘えたで、そんな君はどんな大人になるんだろう?

今年度、油絵学科を卒業したWAKAKOさんによる個展『MUSH ROOM』が開催中です。
卒業制作展でも誰よりも楽しげで、自身の表現・世界観を確立していたWAKAKOさん。
今後期待大の若手作家の展示、どうぞご覧ください。









今回、なぜ男の子を被写体としたのかと質問をしたところ、自身の憧れを形にしたとのこと。
現実では男の子になることができないけど、絵の世界ではなれると彼女は語ってくれました。
そんな会場内はまさにWAKAKOさんの世界観が凝縮されいます。



WAKAKOさんの絵の特徴は何よりもピンクを多用した色使い。
イラストレーション作品というとアクリルが主要ですが、あえて彼女は油彩を使用しています。

このような作風に至るまでのことも語っていただけました。

以前は沈んだ色合いの作風だったというWAKAKOさん。
学校に入り、教授や周りの同期はみな真面目で正統派な油彩を描く人が多かった中で、自身は悩みながら絵を描くよりも楽しみながら絵を描きたい、と振り切れたとのこと。
自身が楽しいと思う絵とはなんだろうと考えた時、ピンク色が好きなことから、油彩にはあまり使用されない色彩で描いてみようと今の作風へと至ったそうです。

意外に油彩にもピンクってたくさんあるんですよと楽しげに語るWAKAKOさん。
油彩のピンクって不思議で、通常のショッキングピンクと色味が少し違うんです、
それが面白いんです、と語る彼女の瞳はとても生き生きとしていました。

たしかに光の当たり具合によっては赤っぽく見えたり、黄色味が強くなったりと、様々な表情を見せてくれます。
また油彩独特のもったりとした重厚感ある絵の具により、スモーキーな雰囲気が醸し出さ
れ、ストリートな世界観との相性は抜群。



マッシュヘアー、少年というと耽美な世界を想像しがちですが、
WAKAKOさんの描く少年はちゃんと“男の子”なんです。

中性的で、儚げな見た目、しかし少年の瞳の力強さに生きることへの貪欲さが垣間見えてどきりとしました。
もちろん、少し斜に構えた表情だとか、無邪気な表情もたまらない。





また今回の展示構成もお見事。
会場内には少年のものと思わしき机や衣服が並び、少年の記憶を切り取ったような作品が四方に広がります。平面作品だけでなく、衣服といったアイテム、メモ書きがあることで
少年の人物像がより深まります。


4月からは地元の大分を拠点にし作家として活動していくというWAKAKOさん。
作った作品を背負って各地に展示しに走りますよ!と熱く意気込んでいました。
拠点を移すことで彼女の作品にどのような変化が起こるかとても楽しみです。

会期は14日まで、どうぞお越しください。

作家紹介


WAKAKO
1996年生まれ
大分県出身
活動内容 少年や膝小僧などを描く蛍光色画家。
油絵だったりアクリルだったり蛍光ペンだったり粘土だったり、画材はいろいろ。

In:@wakako_77777/
Tw:@wakako777_10



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staff minako