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Takuya Takeuchi×Marie Higashi×Sayumi Kunikata 『過密』



Takuya Takeuchi×Marie Higashi×Sayumi Kunikata
『過密』
2018.12.9-2018.12.15
at WEST 1-F

一体何が描いてあるのだろう?
と目を凝らさずにはいられない、細密な絵画の数々。
それぞれまったく性質の異なる細密画を手がける3人によるグループ展が開催中です。






竹内拓弥さん、東真里江さん、クニカタサユミさんの3人によるグループ展『過密』は、文字通りいくつもの線が過密に入り組み形を成す細密画を中心に描く3人が集まった展示です。

5月のデザインフェスタvol47で、竹内さんが中心となりこの度のメンバーが集まったのだそう。写真はその竹内さんによる作品です。正直写真であるということを差し引いても、遠目からではその緻密さはなかなかわかりにくいと思います。




ということで一部をクローズアップしたものがこちら。
細かい線や形が密集して一枚の絵が構成されています。俯瞰からでは抽象的に見えても、そこにはさまざまなモチーフが描かれていることがわかります。まるで古代の壁画のようです。

竹内さんは文房具屋でも簡単に手に入るようなカラーペンを用いて作品制作を行なっています。この写真で認められるような同色の微妙な濃淡は、ペンのインクがスレてきたものを薄い色用に、買いたてのものを濃い色用にという具合で、ストックをしておくのだそうです。




つづいて紹介するクニカタサユミさんのこちらの作品は、和紙に鉛筆というシンプルな手法で描かれています。が、こちらも写真だけではいざ知らず、肉眼でもこの位置からではその緻密な仕事がご覧いただけないかと思います。




ということで一部に寄ってみました。画面左から右にかけて綺麗なグラデーションが描かれていますね。

ここだけで何線本の線で構成されているのかわからないほど、とても細かな線が入り組んでいますが、その線の濃淡は鉛筆の硬さで描き分けているのだそう。

とても薄い和紙に鉛筆を使用しているため、ミスをしたら終わり。という精神鍛錬のような作業から生まれた作品です。




最後に紹介するのは東真里江さんによる線画作品。

まるでコンピューターグラフィックのように正確で細かな線画が繋がり、中心から何かが増殖をするように形を成しています。




こちらも一部を拡大しました。
画面左上が作品の中心部で、そこから何百もの線が枝分かれし、繋がり、そしてまた派生しています。まるで遺伝子の配列図のようです。

驚くべきはこの線がすべてフリーハンドで描かれているということ。線の正確さと同時に、自身の内にあるものがそのまま腕や指先を伝い、紙の上に表出したかのような作品です。



一度見ただけではその全容がなかなか掴みとれないということで、展示期間中作品を見にくる人の滞在時間が通常の展示に比べて長いのが特徴。皆さま作品の前でじっと立ち止まってまじまじと作品を眺めているのが印象的です。

今回紹介した作品以外にも、各作家とも多くの作品を出展しており、大変見応えのある展示となっております。展示は12/15(土)まで開催中。会期中は3人のうちどなたかは必ず在廊をされているそうなので、ぜひお越しくださいませ。


【展示スペース:WEST 1-F】