『お砂糖倶楽部』
宮本香那
2018.10.3 - 2018.10.9
[WEST 2-C]
「あまいものを食べた時の幸せな気持ちは恋の陶酔感に似ているらしい。
しかし、砂糖はあまい麻薬と言われているように依存性が強く、過剰に摂取すると心身ともに蝕まれる。」
そんな甘いもの、快楽への欲に忠実な動きをみせる少女たち。
可愛らしい、けれどもただ可愛らしいだけじゃない。
独特の毒を帯びた宮本香那さんの絵画展がWEST2-Cにて開催中。
大小様々な色とりどりの作品で彩られた室内。
一見色合いはポップ。キャンバスは最終的にニスでコーティングされており陶器のような不思議な質感を思わせます。
本記事ではほんの一部ではありますが、出品中の作品をご紹介いたします。
「いじわる」
「いじわる」と題された本作。
遠目から見るとパステルカラーの少女が人形を抱く可愛らしい光景のようです。
しかし、よーくご覧ください。少女の指先には煙草。しかもそれを人形の胸部に押し付け焦がしていることがわかります。少女の抱くちいさな痛みや毒が、この行動上にうかがえるように思えます。
「1日2錠まで」
こちらはリボンがついたハート型のキャンバスに描かれた作品。
玄関や扉に飾る装飾品を彷彿させます。帯びたパステルカラーはやわらかですが、対して少女の目には涙が浮かび、その手のひらにはハート型の錠剤がいくつもあります。
タイトルの「1日2錠まで」とは、少女を葛藤させ欲望を制御する呪いのような言葉なのかもしれません。
「おしおき」
「おしおき」が日常的場面・身近な道具たちによって行われる光景。
三つ編みを洗濯バサミで挟むその身近な拘束器具は痛みを伴わなそうであり、また自力で抵抗もできそうな仕掛けになっています。その抵抗しなさに少女たちの奇妙な関係が浮かび上がって見えてはこないでしょうか。
ちいさなカゴに入ったクマのぬいぐるみが愛しい。
一度目にすればもう忘れられない、一点一点の強度が高い作品たち。
ポップな色合いに対して静謐な空気感、そして根底に佇む静かなる毒やフェティシズム。
スペースでは作品の販売やポストカード他グッズの販売も行われています。
どうぞお見逃しなく。
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宮本香那
東京都在住
あまくて毒のある女の子たちの絵を描いています。
twitter: https://twitter.com/fuwafuwahousi
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【使用スペース:WEST 2-C】
staff satomi