『その星、たち』
中井結
2018.10.3 - 2018.10.9
[WEST 2-B]
まなざしが印象的な少女の肖像画たち。その神秘的な存在感に見ている者(見られている者?)はまるで自らの内を見透かされているかのような気分になります。
そんな中井結さんによる個展はWEST2-Bにて開催中。本記事では展示の様子を一部ご紹介いたします。
スペースに足を踏み入れれば壁面にずらりと並ぶ少女の肖像画が。
鉛筆で描かれたその緻密さ、そして一作品一作品が醸し出す吸い込まれるような不思議な空気につい息をのんでしまいます。
麗しい美少女たちと悪夢のようなモチーフたちのなんとも奇妙な融合。
肖像画にもこんなに様々な構図を作れるものなのですねと感心していたところ、構図はほとんど常におなじものを描いておりモチーフも大概決まったものを描写されていると中井さんご本人が教えてくださいました。(たしかに↑の二点なども似ています。)
おなじものを描こうとしても描けない、すこしずつちがってしまう。本展ではその現象を逆手にとりながら筆先に任せ多数の少女たちを描かれたのだそうです。
こちらの二点も構図は似ていながら全く異なった雰囲気を纏っているのがとても興味深いです。モチーフもポーズも似ていながら微妙な違いで別物となって見えます。
「その星、たち」という個展タイトルについてうかがってみると「全員死んでるんです……まあ後付けですけどね」と回答をくださった中井さん。作品にメッセージ性のようなものは特に込めていないと語ってくださいました。
解釈をゆだねられつつふたたびぐるりと見渡してみると、美麗な肖像画たちがどこか遺影のようにも見えてきました。
星の寿命と少女の寿命。そのスケールの大小に関わらず、どちらも輝きながら散っていく。そんなふうに両者がオーバーラップして瞬くように思えました。
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中井結
もみね画家。札幌在住。ひきこもり。
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