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南雲塾 『第12回 南雲塾展「種」』



南雲塾
『第12回 南雲塾展「種」』
2017.12.15-2017.12.17
at EAST 101

デジタルハリウッド大学の南雲治嘉教授が主宰する『南雲塾』の大規模グループ展が101で開催されています。

先生のもと年齢もバックボーンも違う人たちが集まり、形式にとらわれないさまざまな作品が並んでいます






さて、デジタルハリウッド大学と聞くとどうしても「デジタル」という言葉に引っ張られて、イラストレーションや3DCGなど最先端の技術を駆使した作品をイメージしてしまうのですが、実際の展示作品は実にバリエーション豊かでユニークなものばかりです。


大池 康人『shakehandswith.me』

主宰の南雲先生曰く「普段コンピューターに向かって作業をしている反動なのかな?」とのことでした。油彩絵画や雑貨、アクセサリーなど、オールジャンルのグループ展です。

大池 康人さんのこちらの作品は、街で出会った人々と握手をする写真を並べたもの。
年齢国籍問わずいろんな人々が笑顔で握手していて、撮影者自身の人柄も写真に表れているのが分かります。(ひとつだけ人ではなく置物があります、探してみて下さい)


村田 紗恵子『connection』

こちらは共感を覚えずにはいられなかった作品。
写真では読み辛いですが、真ん中の作品、「週に三回、アラームをかけないで寝ていたい」というなんとも強いメッセージが目を引きます。

この作品はトレーシングペーパーのような透過性のある紙がレイヤードされていて、さらに下の階層には「大きな露天風呂を独り占めしたい」、「近所のパン屋さんのパンを全種類食べてみたい」など、ぱっと頭に浮かんだような関連性のない欲が重なります。
重層的で複雑に入り組んている人間の思考回路を、グラフィックの形で視覚化したとも言うべき作品ですね。


右から南雲 治嘉『その時を待つ』、野口 すな保『林檎』、柿沼 綾『人生の夢(タネ)』

続いて絵画作品。
向かって右の作品は主宰の南雲先生によるもの。
写真では分かりにくいですが、紙粘土で構成した立体感のある平面作品です。

今回の展示の共通テーマである「種」が、「いつか目を出し、咲く日を待っている」様子を表現した作品です。騙し絵のように浮かんで来る優しげな横顔と、新緑のように鮮やかな緑が印象的。


総勢44組が作品を出展する大規模な展示のため、ここで紹介できなかった作品が和を多くありますが、ゆっくりと時間をかけて観てみたい作品ばかりでした。


作品にも表現されていたようにいつかこの種が芽吹くときが楽しみになる展示でした。


【出展スペース:EAST 101】
author : isaka