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Aizawa Michiko 『青い熱帯』

































Aizawa Michiko 『青い熱帯』
2017.10.27 - 2017.10.29
[WEST 1-G]


イラストレーターとしてご活躍されているAizawa Michikoさんの個展の模様をご紹介します。
今回の展示はお仕事で手掛けられた作品ではなく、この個展のための新作ばかりです。
普段のお仕事の作品とはまた違ったAizawa Michikoさんの世界をご覧ください。




展示タイトル『青い熱帯』の名の通り、壁に掛けられた絵画作品はすべて真っ青。
スペース内の噎せ返るような青と、若干薄暗く設定された照明が”熱帯”を思わせます。























スペース内はこのような雰囲気となっております。
四方をぐるっと作品で囲まれているので見応えがあります。


無意識の森





















展示スペースに入ってすぐ目に飛び込んでくるのが、こちらの作品。
大きなパネル3枚からなる大作です。
個展を開催するにあたってまず取り組んだのがこちらの作品なのだとか。
目の前に立つと、グッとこちらに迫ってくるかのような、まるでこのジャングルに迷い込んでしまったかのような錯覚に陥ります。

『無意識の森』は思うまま、筆の進むまま、まさに”無意識”の状態でひたすら埋めるように描いたのだそう。
「自分はこういうフォルムやラインが描いていて気持ちいいんだ」という、無垢とも呼べる衝動に突き動かされながら描くことで、逆にその無意識を見つめ直し、探求したかったというAizawaさん。
普段お仕事として描かれる作品が理性的だとするならば、今回の展示コンセプトはその逆とも言えるのではないでしょうか。


ただここにあるもの





















エネルギー溢れる『無意識の森』からは一転、左右対称のバランスと青の濃淡が美しい『ただここにあるもの』。
この2点は一見すると正反対の作風ではありますが、『無意識の森』で垣間見えた、Aizawaさんが「描いていて心地よい」と感じられたのであろう箇所が随所に見られます。
筆者には『無意識の森』から昇華された作品のように思えました。


くらしのスケッチ































こちらのスケッチと題された作品はさらに感覚的かつ無意識的なセンスの光る、自由度の高い作品のように感じました。
全体として柔らかなラインが印象的です。

最後に「なぜ青色を選ばれたのですか」とお聞きしたところ、Aizawaさん曰く「無意識的感覚を認識するため、あえて青という理性の働く色で自制が効くようにしたかった」とのことでした。
作品制作に没頭すると、我を忘れる瞬間がありますよね。
そのための青なのか、と納得いたしました。
ちなみにイラストレーターとしてお仕事される際にはカラフルな作品を制作されているそうです。
























イラストレーションを用いたインスタレーションのような展示空間は、悔しながら写真と文章ではお伝えしきれない魅力があります。
どうぞ会場で本物を鑑賞してみてください。

こちらの展示は10/19(日)まで。
ご来館お待ちしております。



【 展示スペース:WEST 1-G 】
Staff Tanaka